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AIエージェントが人手を介さず自律的に支払いを行うための決済基盤づくりが、グローバル市場で一段と活発になってきた。決済大手や暗号資産関連企業は、エージェント同士、あるいはエージェントと加盟店の間で直接決済できるプロトコルの整備を急いでいる。

米暗号資産取引所大手のCoinbaseとクラウドセキュリティ企業のCloudflareは、両社は昨年、AIエージェント向け決済を支援する「x402」をオープンソースとして公開した。Googleも昨年9月、AIエージェントが利用者に代わって商品購入から決済までを担う「Agent Payment Protocol(AP2)」を発表している。AP2はクレジットカードとステーブルコインの両方に対応する。

x402の決済規模はなお限定的とみられるが、AIエージェントへの関心の高まりを背景に、テック業界では関連技術への注目が強まっている。こうした流れの中で、新たな決済プロトコルの投入も相次ぐ。

18日には、B2B決済プラットフォーム大手のStripeと、StripeおよびベンチャーキャピタルのParadigmが共同開発したレイヤー1ブロックチェーン「Tempo」が、Machine Payment Protocol(MPP)を発表した。

MPPはオープンソースの決済プロトコルで、法定通貨と暗号資産の双方に対応する。Stripeの既存AI決済インフラとの互換性も持たせた。現時点ではTempo上でのみ稼働するが、将来的には複数のブロックチェーンや各種決済レールへ拡張できる設計としている。

Tempoの共同創業者で、Paradigmのマネジングパートナーを務めるマット・ファン氏は、「エージェント決済はまだ初期段階にあり、最適な構造を探っているところだ」と説明。「誰でも許可なく拡張できる、最もシンプルで効率的なプロトコルを目指した」と述べた。

クレジットカードネットワーク大手のVisaもMPP開発に加わった。AIエージェントがクレジットカードやデビットカードで支払う際の仕様策定を担う。Visaの暗号資産部門責任者、クイ・シェフィールド氏は「MPPは、エージェントが加盟店とどのように通信するかを明確に定義したプロトコルだ」と説明した。

Visaはあわせて、エージェント向けのVisaコマンドラインインターフェース(CLI)も公開した。開発者がコード環境から直接決済を実行できるようにするツールで、APIキーを使わずにプログラム上へカード決済を組み込めるようにする。AIボットやスクリプト、自動化ワークフローでの利用を想定しているという。

カードネットワークはすでに世界規模の加盟店エコシステムを構築している。Visaの取り組みは、既存の業務フローを大きく変えずに購買プロセスを自動化できる点が強みとみられる。特に高額取引や発生頻度の低い取引では、カード決済が依然として有力な手段になり得るとの見方もある。

暗号資産業界でも動きは活発だ。The Informationは18日、x402の立ち上げを主導したCoinbaseが、AIエージェント決済を社内の最重要課題の一つに位置付けていると報じた。

Coinbaseは、エージェントが利用する決済・送金インフラを提供することで収益拡大を狙う。USDCと自社ブロックチェーン「Base」を軸に、エージェント間決済が流れる基盤を押さえ、収益化につなげる戦略だ。

さらにCoinbaseは、暗号資産インフラのスタートアップZero Hash、Cloudflareとともに、今年投入予定のAIエージェント決済向けステーブルコインの発行を巡り、競争している。

The Informationは、CloudflareがWebトラフィック管理とサイバーセキュリティ分野で一定の存在感を持つだけに、関連契約を獲得できれば、AIエージェント起点のトラフィック決済分野で先行する可能性があると伝えた。Cloudflareの最高戦略責任者(CSO)ステファニー・コーエン氏は「インターネットトラフィックに占めるエージェントやボットの比率は高まっている」とした上で、「インターネットには新しい決済機能が必要になる」と述べた。

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