暗号資産取引所Gemini(写真=Gemini X)

米暗号資産取引所Geminiが市場低迷局面でも強気の見方を打ち出す一方で、関連ウォレットのビットコイン保有量を大きく減らしていたことが分かった。人員削減や海外市場からの撤退も進めており、事業再編を急いでいる。

ブロックチェーンメディアCointelegraphによると、Gemini共同創業者のタイラー・ウィンクルボス氏は23日(現地時間)、市場心理が極端に悪化していること自体を、むしろ強気材料とみる考えを示した。

ただ、オンチェーンデータは別の動きを映している。ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligenceによれば、ウィンクルボス・キャピタルのウォレットが保有するビットコインは、2025年2月時点の約2万3000BTCから、2026年2月には1万1000BTC未満に減少した。この1年で保有量を半分超縮小した計算になる。

財務面でも負担は重い。米証券当局への提出資料によると、Geminiの2025年の純売上高は1億6500万〜1億7500万ドルとなる見通しで、前年から増加する。月間取引利用者も約60万人と、17%増えた。

一方で、同期間の営業費用は5億2000万〜5億3000万ドルに膨らみ、前年の3億800万ドルから大幅に増加した。売上の伸びを上回るコスト増が、収益性を圧迫している構図だ。

こうした中、同社はコスト削減に向けた事業再編に踏み切った。2月上旬には、英国、EU、オーストラリア市場から撤退し、米国とシンガポールに経営資源を集中すると発表。人員も最大25%削減する計画で、COO、CFO、CLOが相次いで退任した。

共同創業者のキャメロン・ウィンクルボス氏はCOO職を兼務し、暫定CFOと法務責任者も新たに充てた。

市場シェアの低下も鮮明だ。Bloombergによると、Geminiのグローバル現物取引シェアは2025年6月の0.6%から、2026年1月には0.1%へ縮小した。企業価値も、一時40億ドル規模から7億ドル未満まで落ち込んだと報じられている。

立て直しに向け、Geminiは米商品先物取引委員会(CFTC)の規制枠組みの下で、予測市場プラットフォームの準備を進めている。カストディー事業や決済カード事業も強化し、取引所依存から収益源の多角化へとかじを切る方針だ。

暗号資産市場全体も縮小局面にある。米国のビットコイン現物ETFは5週連続で資金流出となり、恐怖・強欲指数は「極端な恐怖」圏に入った。

その一方で、日本のMetaplanetはビットコイン保有を積み増している。BitMEX元CEOのアーサー・ヘイズ氏も高いビットコイン比率を維持しており、一部投資家の間では長期的な強気見通しがなお残る。

Geminiが示す楽観論が逆張りの投資判断に基づくものなのか、それとも苦境を意識した防衛的なメッセージにとどまるのか。市場の見方は分かれている。

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