折りたたみスマートフォンは、大きく「クラムシェル型」と「ブック型」に分かれる。どちらが優れているかではなく、何を重視するかによって選び方が変わる――。米ITメディアのEngadgetは27日(現地時間)、両者は使い方に応じて長所と短所がはっきり分かれると報じた。
クラムシェル型は、従来の折りたたみ携帯電話に近い構造が特徴だ。閉じると小型で、正方形に近い形状になる。開けば一般的なバータイプのスマートフォンのように使える。
最近の製品では外側ディスプレイの機能強化が進んでおり、メッセージや着信、日時、天気、予定などを端末を開かずに確認できる。Engadgetは、クラムシェル型について、外側画面で必要な情報をすぐ確認できるため、不要な画面利用を減らしやすいと指摘した。
強みは携帯性と片手での扱いやすさにある。本体が小さく、ポケットや小さめのバッグにも収まりやすい。開いた後の操作感も、一般的なスマートフォンに近い。
一方で、画面サイズは一般的なスマートフォンを大きく上回るわけではない。そのため、大画面を生かしたマルチタスクや、没入感を重視するコンテンツ視聴には限界がある。
これに対し、ブック型は閉じた状態では通常のスマートフォンに近いが、厚みは増しやすい。横に開くと、タブレットに近い大画面を利用できる。
この構造は、動画視聴や電子書籍、ゲーム、Web閲覧など、画面サイズの違いを体感しやすい用途に向く。閉じた状態でも、外側画面でメッセージや通知の確認、アプリの起動といった基本操作はこなせる。
とりわけブック型は、生産性の面で優位性がある。Engadgetは、移動中の業務でも大画面や分割表示を活用でき、一部の作業ではドラッグ・アンド・ドロップにも対応すると伝えた。
画面が広い分、文書の確認や複数アプリの同時利用に適している半面、構造は複雑になり、本体も大型化・重量化しやすい。端末の取り扱いにはより注意が必要で、ヒンジの保護も重要なポイントとして挙げられた。
両タイプには、折りたたみ端末ならではの共通の利点もある。デュアルスクリーンを活用したリアルタイム翻訳、外側カメラを使った撮影プレビュー、端末を立てたりテント状に置いたりして行う写真撮影やビデオ通話などが代表例だ。
つまり、折りたたみ構造は単に本体を折るためのデザインではなく、使い方そのものを広げる要素になっているということだ。
市場動向を見ると、ブック型の存在感は高まりつつある。関連調査では、2026年にブック型の出荷台数がクラムシェル型を上回る可能性があるとされた。
背景には、大画面を生かせる用途の拡大に加え、大容量メモリを備えたプレミアム製品に需要が向かっていることがあるとされる。スマートフォンとタブレットの役割を1台で担いたいというニーズも、ブック型を後押ししているという。
ただ、ブック型は大画面を備える構造上、バッテリー消費が増える可能性がある。閉じた状態でも一般的なスマートフォンに近いサイズ感を保つ一方で、厚みの負担は残る。
これに対しクラムシェル型は、より小型で手軽に使える半面、画面スペースや性能面では制約がある。結局のところ、折りたたみスマートフォン選びはデザインの好みというより、どの機能を優先するかの問題に近い。
頻繁に確認する情報の見やすさや携帯性を重視するならクラムシェル型、移動中の動画視聴やゲーム、マルチタスクを重視するならブック型が適した選択肢になる。