写真=JPYC公式Xより

円連動ステーブルコイン「JPYC」の累計発行額が、発行開始から1年で120億円を超えた。流通額は約30億円、口座開設数は2万8000件超に達しており、決済分野での導入拡大や提携先の広がりが進んでいる。CoinPostが28日に報じた。

JPYCは、JPYC株式会社が発行する円連動ステーブルコインだ。Ethereum、Avalanche、Polygon、Kaiaの4つのブロックチェーンに対応する。

導入先も広がっている。オフライン店舗やECを含む150超の事業者が、決済手段として採用した。

利用シーンの拡大も進む。LINE NEXTのWeb3ウォレット「UniFi」は5月、JPYCの取り扱いを開始した。LINE上でJPYCを利用できる国内初の事例となった。

9月には、au PAYアプリ内のウォレットでPontaポイントをJPYCに交換できるようになり、au PAY残高へのチャージを通じた決済にも対応した。

今月6日には、マイナウォレットがアプリ内でJPYCの発行・償還を支援する計画を明らかにした。

提携も広がっている。Sony Bankは3月、業務提携に向けた基本合意を締結し、銀行口座から直接チャージできる仕組みを検討している。

Asteriaとは資本・業務提携を結んだ。TISIも年内に決済支援サービスを始める計画だ。

オフライン決済では実証実験も実施した。8月には、ローソン高輪ゲートウェイシティ店で、HashPortのウォレットに表示したバーコードをPOSで読み取る方式の決済を試験した。

コンビニのPOSを使ったステーブルコイン決済の成立は日本初の事例とされたが、利用者は関係者に限られた。

法人向けの支払い分野への展開も進める。AZ-COM丸和ホールディングスは、トラック運転手などの個人事業主を含む協力会社約2300社への委託費支払いにJPYCを導入する方針だ。

狙いは、手数料の引き下げと支払い頻度の向上にある。

一方、収益化は今後の課題だ。オカベ・ノリタカ代表取締役は、現状は赤字だとしたうえで、黒字転換には流通額を500億〜1000億円規模まで拡大する必要があると述べた。

JPYCは準備金として預金と短期国債を保有しており、今後は国債の比率を高めて運用収益の拡大を目指すという。

同社は8月、シリーズBラウンドでの累計調達額が約60億円に達したと公表した。4月にはAI時代のM2M決済インフラ構想を打ち出し、AI・人工知能エキスポで円建てステーブルコインを活用したAI決済のデモも行った。

さらに日本免税とともに、免税リファンドの新制度を見据えた次世代インバウンド決済網の構築にも着手した。

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