米国の9月の物価調査で、商品・サービス価格の回収率が66.3%にとどまったことが分かった。物価統計の不確実性が、米連邦準備制度理事会(Fed)の金利見通しやビットコイン相場に与える影響に関心が集まっている。
ブロックチェーンメディアのCryptoSlateが26日(現地時間)に報じた。米労働統計局(BLS)によると、9月の商品・サービス価格データの回収率は66.3%だった。8月の65.9%からは小幅に改善したが、前年同月の67.6%は下回った。
この回収率は、価格調査の対象となった商品・サービスのうち、実際に収集できたデータの割合を示す。住居費など別建てで調査する項目や、別ルートで集計するデータは含まれていない。
このため、未回収分が33.7%あるからといって、消費者物価指数(CPI)全体の3分の1が推計値で補われたことを意味するわけではない。
BLSは2025年夏、一部地域で価格調査を縮小・中断した。その後、同年11月から調査員の採用と研修を再開し、増員に合わせて調査範囲を広げる方針を示している。ただ、データ回収率はなお従来の水準には戻っていない。
BLSは、回答率の低下が統計のバイアスリスクを高める可能性はあるものの、それだけで実際に偏りが生じたと断定はできないと説明している。
物価指標はFedの政策判断を左右し、市場のリスクセンチメントにも影響する。このため、ビットコインにとっても重要な変数となる。投資家は物価動向を手掛かりに、金融政策の方向性や投資環境を見極めている。
ただ、調査の未回収分だけを根拠に、実際のインフレ率が公表値より高い、あるいは低いと判断すれば、金利見通しを読み誤る可能性がある。
実際、ビットコインは上振れした物価指標に敏感に反応した。Coinbaseは16日付のリポートで、9月のCPI公表直後に米2年債利回りが急上昇し、ビットコインが数時間で約8万3800ドルから8万2000ドル割れまで下落したと指摘した。
物価指標が追加利上げへの警戒感を強め、相場の重荷になったという。
Coinbaseは23日付のリポートでも、8万〜8万2000ドルをビットコインの主要な短期サポートと位置付けた。この水準を維持できなければ、次の下値支持帯である7万3000〜7万5000ドルを試す可能性があるとみている。
当時、金利先物市場が織り込む12月の利上げ確率は約80%に達していた。米2年債利回りも4.8%近辺まで上昇していた。
Coinbaseは、国債利回りが上昇する局面では、ビットコインのような利回りを生まない資産の投資妙味が薄れやすいと分析した。
一方で、ビットコインの1カ月物インプライド・ボラティリティは約35%と歴史的に低い水準にあった。これに対し、無期限先物の資金調達率(ファンディングレート)は上昇しており、レバレッジをかけた買い持ちの積み上がりを示していた。Fedが市場予想と異なるシグナルを発した場合、価格急変や連鎖的な清算が起きるリスクは高まる。
最終的な焦点は、Fedの金利判断と今後の政策シグナルが市場予想からどの程度乖離するかにある。統計の空白だけでCPIの歪みを断定することはできないが、レバレッジ買いが積み上がった局面で追加引き締めを示唆する発言が出れば、ビットコインへの下押し圧力が強まる可能性がある。