画像=GitHubで公開された「Nietzschian Debugger」

プログラムの不具合に対し、修正コードを提示するのではなく、質問を通じて開発者自身に原因を突き止めさせるAIデバッグツール「Nietzschian Debugger」がGitHubで公開された。AIに答えを委ねるのではなく、問題解決力そのものを鍛える発想が特徴だ。

Gigazineが27日報じた。Nietzschian Debuggerは、開発者が自ら不具合を解決する力を高められるよう設計されたオープンソースツールという。

背景には、AIが生成したコードをそのまま使う開発現場が広がるなか、開発者の問題解決能力が弱まるのではないかとの懸念がある。名称はドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェに由来し、困難を乗り越える過程が人を成長させるという考え方を反映したとしている。

Anthropicが1月に公表した研究では、AIによるコーディング支援を受けた開発者は、自らコードを書いたグループに比べ、理解度テストのスコアが低かった。AI利用グループの平均は50%、非利用グループは67%だった。

ただ、この研究は参加者52人を対象にした短期実験で、AIの利用が長期的に開発能力を低下させるとまでは断定できないともしている。

Nietzschian Debuggerの使い方はシンプルだ。開発者がエラーの内容を入力すると、AIは修正コードを返す代わりに、原因を追うための質問を投げかける。

例えば、「一部のユーザーでログインエラーが発生する」と入力した場合、正常に利用できるユーザーとエラーが出るユーザーの違いを尋ねる。開発者がランダムに発生していると答えると、サーバーログや認証情報の確認を促す。

その後も回答に応じて追加の質問を重ね、開発者が自力で原因にたどり着けるよう支援する仕組みだ。

質問のスタイルは「Socrates」「Nietzsche」「Zarathustra」の3種類。曖昧な説明を具体化させる役割、誤った仮説を検証させる役割、解決を諦めないよう促す役割をそれぞれ担う。

ソースコードを解析したうえで質問する機能や、開発者の仮説検証・証拠収集の能力を評価する機能も備える。対話ログはローカルに保存される。

もっとも、AIを排除するためのツールではない。標準ではAnthropicのClaudeを利用し、最新版では他のAIモデルやローカルモデルにも対応する。

開発者は「AIが答えを代わりに示すのではなく、開発者自身が考えるようにすることが目的だ」と説明している。

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