元ウォール街投資家のジョルディ・ビッサー氏は、AIの普及がもたらす投資機会は、AI関連株よりも暗号資産市場で大きく広がる可能性があるとの見方を示した。AI関連株の一段高には慎重な一方、AIエージェントの拡大が暗号資産決済やトークン化資産の需要を押し上げるとみている。
Cointelegraphが27日(現地時間)に報じたとおり、同氏はビットコイン、イーサリアム、ソラナにとどまらず、暗号資産市場全体で投資機会が広がっていると語った。
同氏が成長の根拠として挙げたのがAIエージェントだ。利用者の指示に応じて取引や金融処理を担うAIエージェントの普及が、暗号資産の実需を押し上げるとみている。ビッサー氏は「AIがなければ、暗号資産は現在の強気相場を経験していなかっただろう」とした上で、「AIエージェントは暗号資産にとって、事実上のApp Storeやスマートフォンのような役割を果たす」と評価した。
一方で、AI関連株の上昇余地については慎重な見方を示した。これまでのような急騰局面の再来は、次第に難しくなっているとの認識だ。
同氏が追うAI関連100銘柄のポートフォリオは年初来で約40%上昇した。ただ、過去126日ベースのボラティリティはビットコインを上回ったという。
AIインフラ投資に伴う資金負担の重さも懸念材料として挙げた。企業によっては、既存事業の稼ぎを上回る資金を設備投資に振り向けているという。
もっとも、同氏はAI相場の強気局面そのものが終わったとはみていない。ただ、その値動きについては「花火」のようなものだと表現し、派手な上昇の持続性には限界があるとの見方を示した。
また、ヘッジファンドや個人投資家の資金がAI関連株に過度に集中したとも指摘した。投資家の関心がAIに偏ったことが、ビットコインとイーサリアムの出遅れを招いた要因の一つだとしている。
暗号資産市場では、個人投資家の戻りが重要だとの考えも示した。特にドージコインについては、個人投資家の関心が市場に戻っているかを見極める指標になるとした。
個人投資家は市場のエネルギーであり、相場全体を押し上げる原動力だというのが同氏の見立てだ。
さらに、AIの普及で詐欺や悪用のリスクが高まるほど、個人情報や身元保護の重要性も増すと指摘した。こうした観点から、プライバシー分野にも成長余地があるとし、関連銘柄としてZcash(ZEC)とMonero(XMR)を挙げた。
ただ、同氏の暗号資産に対する強気見通しも、AI市場の変動と無縁ではない。AI関連株が急落して株式市場全体が揺らげば、暗号資産も直近安値を再び試す可能性があるとみている。
それでも、こうした調整が強気相場の終了を意味するわけではないと強調した。短期的な価格ショックと、長期的な需要拡大は分けて捉えるべきだとしている。