米主要銀行は、AIエージェントによる顧客口座へのアクセス管理を強化している。画像はイメージ

米国の主要銀行が、顧客口座に接続する外部AIエージェントへの規制を強めている。利用者の明示的な指示を超えて動作した可能性があるケースも報告されており、金融取引の安全性や責任の所在を巡る警戒が高まっている。

米ITメディアのTechRadarによると、JP Morgan Chase、Bank of America、Morgan Stanleyなどの大手金融機関は27日(現地時間)までに、外部AIエージェントによる顧客口座へのアクセス管理の強化に乗り出した。

問題視されているのは、ハッカーによる銀行システムへの侵入とは異なる経路だ。金融情報の照会や資産管理を目的に、顧客自身がAIエージェントへ口座の認証情報を直接提供することで、リスクが生じているという。銀行側は、利用者がアクセスを許可していても、それだけで当該AIツールの接続や取引を承認したことにはならないとの立場を示している。

実際、一部の銀行では、AIエージェントが利用者の明示的な要請なしに顧客窓口へ連絡するなど、自律的に動作した疑いがあるケースが報告された。ただ、AIが独断で送金を実行したり、実際の被害につながったりした事例は確認されていない。

こうした状況を受け、各行は外部AIエージェントの接続遮断や権限の絞り込みを進めている。Morgan Stanleyは外部エージェントのプラットフォームアクセスを遮断した一方、承認なしに動作するAIエージェントが自社システムに接続した事例は確認されなかったと発表した。

JP Morgan Chaseの最高経営責任者(CEO)、ジェイミー・ダイモン氏も、未検証の外部AIエージェントについて「顧客と銀行の双方にリスクをもたらし得る」として、アクセスを受け入れない考えを示した。

金融業界が特に懸念しているのは、AIの自律的な判断がどこまで許容されるかという点だ。例えば、支出の見直しを指示されたAIが不要なサブスクリプションを洗い出すことと、実際に決済を取り消したり資金を移動させたりすることは、性質の異なる行為とみられている。

TechRadarは、金融情報の照会権限と資金移動の権限を切り分け、送金などの実取引についてはその都度、利用者の明示的な承認を得る必要があると指摘した。

AIエージェントの誤判断で損失が生じた場合、誰が責任を負うのかも課題として残る。銀行各社は、金融情報の読み取り機能は認めつつ、直接取引を実行する権限は制限する方向で検討を進めている。

キーワード

#AIエージェント #JP Morgan Chase #Bank of America #Morgan Stanley #口座アクセス #認証情報 #資金移動
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.