Anthropicのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)とダニエラ・アモデイ社長は、7人の共同創業者体制を支える土台として「信頼」と「誠実」を挙げた。新規株式公開(IPO)後も、創業者側が議決権の50.1%を確保する仕組みを維持する方針も示している。
米国のBusiness Insiderが27日(現地時間)に報じた。両氏は同日公開されたポッドキャスト番組「The Builders」に出演し、共同創業者主導の経営体制について語った。インタビューの収録は7月だった。
ダリオCEOは、7人の共同創業者が同じ持ち分とビジョンを共有していると説明した。AIモデルの安全対策や規制対応を巡って意見が分かれる場面は少なくないが、「全員が正しい答えを見つけようとしていると信じているからこそ、最終的には合意に至る」と述べた。
ダニエラ社長も、「誠実さと信頼は、従業員との関係にとどまらず、AI技術の開発方針にも影響する」と強調した。
こうした発言は、AnthropicがIPOを進める中で出たこともあり、市場の関心を集めている。26日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した上場登録届出書(S-1)によると、7人の共同創業者は上場後も別法人を通じて株主議決権の50.1%を握る。
これは、主要な経営判断で外部投資家よりも創業者側が主導権を保てるよう設計したものだ。一方で、独立した長期公益信託(LTBT)には、取締役会の過半数を選任する別個の権限も与えられる。
共同創業者らはまた、それぞれが保有する株式の80%を慈善目的に充てる意向も示した。ただし、これは法的拘束力を伴わない自主的な約束としている。
上場書類では、財務面の負担も明らかになった。Anthropicの昨年の売上高は約46億ドル。一方、純損失は約420億ドルに達した。純損失には、転換証券などの評価損が相当程度反映されたという。さらに、今年1~9月の売上高の約25%を上位5社の顧客が占めた。
同社は、AIに関連する大規模な事故が起きた場合、保険業界全体の補償能力をもってしても賄い切れない可能性があると警告した。Anthropicは11月のナスダック上場を目指しているが、公開価格や最終的な企業価値はなお確定していない。