ビットコインが過去最高値を更新しても、その後も高値圏を維持できるとは限らない――。Coin Metricsの価格データを用いたシミュレーションで、1年以内に過去最高値を一度でも上回るケースは半数を超えた一方、1年後時点でもその水準を維持していたのは3割強にとどまった。CryptoSlateが27日、報じた。
試算では、2023年10月26日から2026年10月26日までの日次リターンを7日ごとに再サンプリングし、10万通りのシナリオを作成した。開始価格は約7万9950ドルに設定した。
その結果、1年以内に日次終値ベースの過去最高値(ATH)12万6198ドルを少なくとも1回上回ったシナリオは全体の50.4%だった。一方で、1年後時点でも同水準を上回っていたのは34.8%にとどまった。
両者の差は15.6ポイント。過去最高値をいったん更新しても、1年後までその水準を維持できないケースが一定数あったことになる。もっとも、1年後に過去最高値を上回っていたケースでも、更新後に一貫してその上で推移していたわけではない。
更新までの過程でも値動きは荒かった。1年以内に過去最高値を更新したシナリオでは、初回更新までに要した日数の中央値は189日。更新前に直近高値から記録した最大下落率の中央値は18.9%だった。
過去の事例でも、最高値の回復がそのまま安定した上昇につながるとは限らなかった。2013年以降、終値ベースの最高値から30%超下落した後に従来の記録を回復した7件のうち、4件は回復から30日以内に再びそれまでの最高値を下回った。ただ、この集計は回復に成功した事例だけを抽出したもので、一般的な確率としてそのまま解釈するのは難しいとしている。
今回の数値は、あくまで特定の仮定に基づくシミュレーション結果であり、実際の市場での発生確率を示すものではない。注目すべきなのは、過去最高値に届くかどうかだけでなく、そこに至るまでの下落幅や、更新後の値動きも合わせて見る必要がある点だ。
同じ「過去最高値回復」のシナリオでも、買いのタイミングや保有期間によって投資成果は大きく変わり得る。目標価格の達成期待だけでは、回復局面で被る損失や、その後の再下落リスクまでは十分に織り込めないことを、今回の分析は示している。