米財務長官は暗号資産・デジタル資産インフラをドル基軸維持の戦略技術と位置付けた。写真=Shutterstock

スコット・ベッセント米財務長官は27日、暗号資産・デジタル資産インフラをドルの基軸通貨体制を支える戦略技術と位置付けた。人工知能(AI)や半導体に続き、デジタル金融インフラでも米国が主導権を握る必要があるとの認識を示した。

Coinpostによると、ベッセント長官は同日、Rippleの最高経営責任者(CEO)ブラッド・ガーリングハウス氏との「Swell」での対談で、「デジタル資産を巡る技術競争は、ドルの国際的な影響力を左右し得る」と述べた。

ベッセント長官は、「かつて基軸通貨の影響力は主として軍事力に支えられていたが、現在は技術力の重要性が高まっている」と指摘。「軍事的な安全保障の枠組みは維持されるが、そこに技術的な防衛線が加わりつつある」と説明した。

米中の技術競争にも言及した。各国がAIや半導体分野で米国と中国のどちらの技術基盤を採用するかを迫られているのと同様に、デジタル資産分野でも、どの金融インフラを選ぶかがドルの影響力を左右するとの見方を示した。

中でも、米ドル連動型ステーブルコインを中核的な手段として挙げた。自国通貨の価値が不安定な国では、ドル建てのデジタル資産が新たな需要を生む可能性があるとみている。

ベッセント長官は、「ステーブルコイン全体の90%超が米ドルを基盤としており、多くの発行体が準備資産として米国債を保有している」と説明した。その上で、「ステーブルコイン市場の拡大はドル利用と米国債需要を同時に押し上げ、米財務省の資金調達を下支えする」との見通しを示した。

今回の発言は、トランプ政権が進める暗号資産産業の育成方針に沿うものだ。米国は昨年7月、ステーブルコインの連邦規制の枠組みを定めるGENIUS Actを制定した。同法は、発行体に対し、ドルや短期米国債などの流動性資産でステーブルコインを全額裏付けることを求めている。

ベッセント長官は当時も、ステーブルコインがドルの基軸通貨としての地位を強化し、米国債需要を押し上げるとの見方を示していた。ただ、実際に国債需要やドルの影響力がどこまで拡大するかは、今後の市場環境に左右される可能性がある。

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