Teslaの長期成長シナリオに対する市場の懸念がくすぶっている。売上高は横ばい圏にとどまり、利益は10%減少する見通しだ。2030年の年間販売目標も、従来の2000万台から500万台水準へ引き下げられた。
2026年の設備投資計画も、250億ドル(約3兆7000億円)から200億ドル(約3兆円)に下方修正した。一方で、カリフォルニアではOptimusロボットの生産を開始しており、次の成長分野への投資は継続している。
こうした中、Teslaは業績鈍化と目標見直しが進む一方で、自動運転分野では攻勢を強めている。2027年第2四半期には、顧客向けの無監督型FSDの導入を目指す。外部地図に依存しない自社の地図・ナビゲーションシステムの構築も進めており、既存技術の制約を補完する狙いがある。
ただ、旧世代ハードウェアのHW3搭載車にも無監督型FSDを提供できるかどうかは不透明だ。技術開発の進展と既存顧客への対応をどう両立させるかが、今後の焦点となる。
FSDは新車購入時のオプションにとどまらず、サブスクリプションやレンタカー市場にも広がっている。北米で販売される新車では4台に3台がFSDを選択しており、世界の加入者数は174万人に達した。
Teslaはカーシェア・レンタカープラットフォームのTuroとも協業し、FSD搭載車の利用機会を広げている。Cybercabは年末の顧客引き渡しが見込まれるが、個人向け販売よりもロボタクシー運用が優先される見通しだ。
一方で、新車事業では後退もみられる。TeslaはオーストラリアとニュージーランドでCybertruckの投入を取りやめ、予約金を全額返金する方針を示した。返金対応は7年ぶりとなる。
競合各社も次世代モビリティ分野で布石を打っている。米General Motors(GM)は、中央コンピュータとAIを活用して車両開発期間を2年に短縮する戦略を打ち出した。第4世代EVプラットフォームには、低コストのリチウム・マンガンリッチ(LMR)バッテリーと中央コンピューティング技術を採用し、競争力強化を図る。
GMはLG Energy Solutionと組み、使用済みバッテリーから中核鉱物を100%リサイクルすることにも成功したとしており、資源循環体制の構築も進める。
ロボタクシー市場では、商用化競争が米国以外にも広がっている。inDrive、Pony.ai、NVIDIAは協業し、2027年にカザフスタンでロボタクシーを投入する計画だ。Waymoも車両規模を2万台まで拡大し、米国外を含むグローバル展開を進める。
米自動車産業で現地生産拡大の動きが強まる中、Audiも大型投資に踏み切る。トランプ大統領は、Audiが米国工場に42億ドル(約630億円)を投じる計画を発表した。工場では年間20万台規模のSUV生産が進められる。
モビリティ市場では、EV充電インフラと利用サービスの一体化も進む。サービスエリアでは超急速充電の導入が進み、増加する需要への対応が急がれている。SOCARは駐車と充電を連携させた試験サービスを開始し、EV利用者の利便性向上を図る。
AIを活用して駐車効率を高める動きも出ている。Kakao MobilityはITS総会でAI駐車技術を公開した。High Parkingは梨花女子大学ソウル病院にAIベースの駐車管制システムを導入し、病院駐車場の渋滞緩和を進める。
電動自転車市場では、Segwayがモペッド風の新型電動自転車「Cyber Air」を1999ドル(約30万円)で発売した。従来モデルの攻撃的なデザインを維持しながら、車体重量や走行仕様を調整し、米国の電動自転車規格に合わせた点が特徴としている。