福岡空港で26日、航空貨物コンテナを運ぶ牽引車でレベル4自動運転を導入した。JALと福岡空港の運営会社である福岡国際空港が、空港内の所定区間で無人運行を開始したもので、人手不足への対応に加え、作業効率と安全性の向上につなげる。
対象となるのは、空港内の航空貨物集積場から国内線エリアに駐機する航空機までの輸送区間だ。移動距離は全体で約2.5kmあり、このうち1.7kmを自動運転で走行する。
レベル4は、あらかじめ定めた運行条件と限定領域の範囲内で、システムが車両の走行を担う自動運転の段階を指す。今回の運用では、運転者を乗せずに貨物を搬送する。
運行車両は、航空貨物コンテナを運ぶトーイングトラクター(牽引車)。1台の牽引車にコンテナ台車6台を連結し、事前に設定したルートに沿って走行する。反復作業が多い貨物搬送に自動運転を活用し、作業工程の自動化を進める。
国内の空港でレベル4自動運転を導入するのは、成田空港、羽田空港に続いて3例目。JALと福岡国際空港は、まず1台で運行を始め、年末までに計4台へ拡大する方針だ。
導入の背景には、空港現場の人手不足がある。JALは、自動運転によって屋外で長時間に及ぶ業務負担の軽減を見込んでおり、一部人員を屋内業務に再配置できるとしている。
JAL九州支社長のサルワタリ・ミホ氏は、「労働力不足が続く中、自動化で業務を支援し、人員配置の最適化と現場負担の軽減を同時に進めることが急務だ」と説明した。
安全面での効果も見込む。福岡国際空港の空港運用本部長、ウチヤマ・エツヤ氏は「業務効率を高めると同時に、人の運転に伴うヒューマンエラーを減らし、空港の安全に寄与する」と述べた。
空港のグランドハンドリングでは、航空機周辺で貨物や手荷物を繰り返し搬送する作業が多い。走行ルートや作業エリアが比較的明確なため、自動運転技術を導入しやすい分野とされる。人員確保が難しい環境では、反復搬送の自動化によって限られた人員を効率的に活用できる点も大きい。
福岡空港は今後、自動運転車両を段階的に増やし、運行体制を拡大する計画だ。実運用を通じて安定性や効率化の効果を検証し、導入拡大につなげる。