写真=マリサ・メイヤー氏のLinkedInページ

元Yahoo CEOのマリサ・メイヤー氏が、スマートフォンの写真ロールを活用して日常の用事を支援する個人向けAIアシスタント「Dazzle」を発表した。写真を起点に動作するパーソナルAIエージェントとして、MetaやOpenAIなどが競う市場に参入する。

メイヤー氏は1999年にGoogleへ入社した20人目の社員で、同社初の女性エンジニアとして知られる。約10年にわたり検索事業を主導し、地図、ニュース、Gmailの開発にも関わった。

2012年には再建期待を背負ってYahooのCEOに就任したが、大きな成果を打ち出せないまま2017年に退任した。翌2018年にはAIスタートアップのインキュベーターを設立している。

メイヤー氏によると、Dazzleは写真ロールを起点に動作するパーソナルAIエージェントだ。ユーザーの写真ロール内の画像を解析し、質問への回答、依頼への対応、各種提案を行う。例えば、保存していた写真をもとに衣類を購入したり、配偶者への誕生日プレゼント選びが難しい場合に手伝ったりできるという。

また、ToDoリスト「Get it Done」や、試してみたい活動をまとめた「Ideas」リストも自動で作成する。

メイヤー氏はこれまで、連絡先管理アプリ「Sunshine Contacts」や写真共有アプリ「Shine」を提供してきたが、いずれも大きな広がりを欠いた。その過程で、画像には多くの情報が含まれていることに気付き、Dazzleの開発につながったとしている。

同氏は、写真を見ればユーザーが何を美しいと感じるかが分かり、AIが性格や好み、嗜好の傾向まで把握できると説明した。

メイヤー氏自身もDazzleを使っているという。10歳の娘の担任から、娘の長所を3つ挙げるよう求められた際にDazzleへ尋ねたところ、「共感力がある」「創造的」「動物が好き」と即答したとしている。

家族でベネチアを旅行した際には仮面作り体験を提案され、息子の14歳の誕生日には蓄光プールパーティーを勧められたという。ハロウィーンの衣装では、ベーキングと美術を好む傾向を踏まえ、画家ウェイン・ティーボーのケーキ絵画に着想を得たケーキ型ドレスを提案されたと説明した。

Dazzleの主な想定ユーザーは、技術に詳しくない一般層、なかでも多忙な女性だ。メイヤー氏は「偏見かもしれないが、女性はより多くの写真を撮り、より視覚的だ」と述べ、「視覚的な方法でAIを使う方が楽しい」との見方を示した。

既存のAIアシスタントについては、技術寄りで専門用語も多いと指摘した。そうした知識を学ぶ時間がないほど忙しい人もおり、そうした層は男性より女性に多いとの認識も示した。一方で、Dazzleは男性にとっても有用なサービスだと強調した。

誕生日パーティーのテーマ決めやハロウィーンの衣装選びは、本来は楽しい作業である一方、実際には時間を奪う雑務になりがちだという。そのため、こうした作業はAIに任せた方がよい場合があると語った。

さらに、自身のAIアシスタントが夫のAIアシスタントと直接やり取りできれば、効率は大きく高まるとの構想も示した。誕生日や休暇、贈り物までAIが組み立てる未来は憂うつではないかとの問いに対しては、「深く考えたことはない」と答えた。

一方で、競争環境は厳しい。ニューヨーク・タイムズは、DazzleがMetaやOpenAIといった巨大企業と競う必要があるほか、写真ロール全体をAIに預けることに抵抗を感じる人も少なくないと報じた。それでもメイヤー氏は、AIは人類に害を及ぼすよりも助ける存在であり、恐れより期待の方が大きいと述べた。

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