GeotabがEV 21車種、2万2700台超の実車データを分析した結果、バッテリーの平均年間劣化率は2.3%だった。急速充電の利用比率が高い車両や、100kW超の高出力充電を多用する車両、高温地域で使われる車両では、劣化がより早く進む傾向が確認された。Engadgetが26日(現地時間)、報じた。
この分析はGeotabが2026年4月に公表したもので、車両から収集したテレマティクスデータを基に、EVバッテリーの劣化傾向を調べた。
調査によると、EVバッテリーの平均年間劣化率は2.3%。Geotabは、走行距離の多いEVでも8年後に初期容量の約82%を維持できると分析した。
もっとも、これはあくまで全体平均であり、実際の寿命はバッテリーの種類や使用環境、充電習慣によって変動するとしている。
劣化に大きく影響する要因として挙がったのがDC急速充電だ。全充電に占める急速充電の比率が12%以上の車両では、年間劣化率は2.5%だった。一方、急速充電比率が12%未満の車両では1.5%にとどまった。
充電回数だけでなく、充電出力の違いも劣化率に影響した。急速充電を頻繁に利用し、そのうち40%以上を100kW超で充電していた車両では、年間劣化率は約3%に達した。
これに対し、急速充電比率は高いものの比較的低出力で充電していた車両の年間劣化率は2.2%だった。急速充電比率が低い車両は1.5%だった。
高出力の急速充電を多用するほど、バッテリー容量の低下が早まりやすい傾向が示された。ただしGeotabは、充電出力と劣化率の関係は、バッテリー管理システムや車両設計など複数の条件によって変わり得るとも指摘している。
気温もバッテリー寿命を左右する要因として確認された。Geotabは、高温によってバッテリー内部の化学反応が進み、セルへの負荷が増す可能性があると説明した。
EVにはバッテリー温度を制御する管理システムが搭載されているが、高温環境の影響を完全に防ぐことはできないという。
年間を通じて華氏77度(約25℃)以上の日が35%を超える高温地域で使われるEVは、比較的温暖な地域の車両に比べ、年間劣化率が0.4ポイント高かった。Geotabは、この影響を中程度とみている。
一方で今回の分析は、寒冷地の気候条件を十分に反映していない点が限界として挙げられている。
今回の結果は、EVバッテリーの性能低下そのものは避けられなくても、使用条件によって進行を抑えられる可能性があることを示した。急速充電は充電時間の短縮に有効だが、利用頻度や出力によってバッテリーへの負荷は変わる。
高温環境も、長期的なバッテリー管理では無視できない要素だ。EV利用者は充電の利便性だけでなく、日常的な急速充電への依存度や充電出力、走行地域の気温もあわせて考慮する必要がある。
ただし、今回の結果がすべてのEVに一律に当てはまるわけではない。実際の運用では、メーカーの充電推奨条件と車両ごとのバッテリー管理機能をあわせて確認することが重要になる。