AIデータセンター向け機器を狙った貨物盗難が米国で相次いでいる。写真=Shutterstock

米国で、AIデータセンターの構築に使われる高額機器を狙った貨物盗難が相次いでいる。6月以降に確認された被害額は1億ドル(約150億円)を超えた。AI関連投資の拡大でサーバーや半導体の価格が高止まりするなか、輸送段階が新たな標的になっているとの見方が出ている。

Gigazineが27日(現地時間)に報じたところによると、米国では数百万ドル規模のデータセンター機器を積んだトレーラーが、輸送中に姿を消す事件が続発している。実際、1300万ドル(約19億5000万円)相当のサーバー機器を積んだ車両が、トレーラーごと盗難に遭った。護衛車両が別の車との事故で停止した直後、混乱に乗じて持ち去られたという。

同様の手口は、1000万ドル(約15億円)規模のサーバーラック部品を積載した案件でも確認された。この事件でも護衛車両が衝突事故で停止し、貨物の位置を追跡するGPS情報まで改ざんされたため、所在確認が難しくなったとされる。

犯行の手口は巧妙化している。犯行グループはフィッシングによって貨物仲介業者や運送会社のアカウントを乗っ取り、配送日程を把握するほか、正規業者を装って高額貨物の輸送案件を受注するという。主な標的はGPU、サーバー、メモリ、光ファイバーケーブル、銅線、ビットコイン採掘機などだ。

Verisk CargoNetの運営責任者、キース・ルイス氏は、こうした犯行を金塊の窃盗になぞらえ、「銀行を襲うより機器を盗む方がはるかに簡単だ」と指摘した。

盗まれた機器は、一般的なオンライン市場ではなく、別ルートで流通しているとみられる。一部は犯行前から買い手が確保されており、中国など海外市場に流れるケースもあるという。

被害額は拡大傾向にある。Verisk CargoNetによると、2026年4~6月期の米国・カナダにおける貨物盗難件数は677件で、前年同期比26%減少した。一方、推定被害額は1億3570万ドル(約203億5500万円)から3億460万ドル(約456億9000万円)へと、2倍超に増えた。

専門家は、こうした組織的窃盗を防ぐには、運送会社やドライバーの本人確認、実在確認を徹底する必要があると強調している。

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