米ITメディアのTechRadarは10月26日(現地時間)、Apple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」とSamsung Electronicsの「Galaxy Z Fold 8」の比較記事を公開した。画面サイズや基本性能は近い一方、しわの目立ちにくさや防水・防じん性能ではiPhone Duo、携帯性やマルチタスクではGalaxy Z Fold 8が優位と評価している。
両機の内側ディスプレイはいずれも7.6インチ。外側ディスプレイもiPhone Duoが5.4インチ、Galaxy Z Fold 8が5.5インチと近い。背面カメラも、それぞれ4800万画素と5000万画素の広角・超広角構成で、大きな差はないとしている。
比較で最も大きな違いとして挙げたのが、折りたたみスマートフォンの課題とされる画面のしわだ。iPhone Duoはナノテクスチャーコーティングによって光を拡散し、しわが目立ちにくい設計を採用した。TechRadarは、完全に見えなくなるわけではないものの、実使用では比較的気になりにくいと説明した。
これに対し、Galaxy Z Fold 8は光が当たる環境で、内側ディスプレイ中央の縦方向のしわが見えやすいとした。ヒンジ設計についても、iPhone Duoは展開時のフラットさとなめらかな仕上がりを訴求しているという。
耐久性でもiPhone Duoに強みがあるとした。iPhone DuoはIP68に対応するのに対し、Galaxy Z Fold 8はIP48を採用する。防じん性能を含む点で、iPhone Duoのほうが有利だと評価した。ただし、防水性能はメーカーの試験条件や実際の利用環境によって差が出る可能性があるとも指摘している。
一方、携帯性ではGalaxy Z Fold 8が勝る。重量は201gで、254gのiPhone Duoより53g軽い。厚さも、Galaxy Z Fold 8は展開時4.5mm、折りたたみ時9.7mmで、iPhone Duoの5.2mm、11.3mmを下回る。
TechRadarは、こうした差が日常の持ち運びやすさにも直結するとみている。Galaxy Z Fold 8はポケットに入れた際の負担が比較的小さい半面、iPhone Duoは重さと厚みを感じやすい可能性があるという。日常的に携行する時間が長いユーザーにとっては、重量と厚さが重要な判断材料になるとした。
ペン入力への対応も差別化要素の1つだ。Galaxy Z Fold 8は薄型化を優先し、デジタイザー層を省いたことでSペン系入力に対応しない。一方、iPhone DuoはApple Pencil(USB-C)を利用でき、内側の大画面をメモや筆記、簡単な作業に活用できるとしている。
もっとも、Apple Pencilを本体に装着して充電することはできず、別途充電とペアリングが必要な点は弱みとして挙げた。
ソフトウェアではSamsung Electronicsが一歩リードすると評価した。Galaxy Z Fold 8は2つのアプリを並べて表示し、さらにフローティングウィンドウを追加することで、最大3アプリを同時に利用できる。複数の作業を並行して進める用途に向く構成だという。
iPhone DuoもiOS 27ベースで分割画面のマルチタスクに対応するが、同時表示は最大2アプリまで。同一アプリを並べて実行する機能にも制約がある。TechRadarは、Samsung Electronicsが大画面端末向けのソフトウェア体験をより作り込んでいる一方、Appleには画面配置や使い勝手の面で改善の余地があると分析した。
処理性能については、両機とも最上位クラスと位置付けた。iPhone DuoはA20 Pro、Galaxy Z Fold 8はQualcommのSnapdragon 8 Elite 5th Gen for Galaxyを搭載する。比較資料によると、両チップはいずれも2nmプロセスで、バッテリー容量も4800mAh台と近い水準だった。
ベンチマークではAppleがわずかに上回ったものの、動画編集やゲーム、Web閲覧、マルチタスクといった一般的な利用では、両機とも高い性能を示したという。実際の購入判断では、プロセッサの小さな差よりも、重量やソフトウェア、利用環境の違いが重要になるとみている。
カメラは背面よりも内側のセルフィーカメラで差が出た。Galaxy Z Fold 8は1000万画素の内側カメラをパンチホールで配置したのに対し、iPhone Duoは400万画素カメラを画面下に搭載した。iPhone Duoは表示を妨げにくい半面、画質では物足りなさが残るとの評価だった。
生体認証も異なる。iPhone DuoはFace IDではなくTouch IDを採用する。顔認証によるロック解除に慣れたユーザーは、操作感の違いを考慮する必要があるとしている。
価格は、iPhone Duoが256GBモデルで1999ドルから。Galaxy Z Fold 8は同容量モデルで1899ドルからで、100ドル安い。最大ストレージ容量はiPhone Duoが2TB、Galaxy Z Fold 8が1TBとなっている。
総合すると、両機は単純な優劣で語れる関係ではなく、強みの方向性が異なる。しわの目立ちにくさや防水・防じん性能、ペン入力を重視するならiPhone Duo、軽さや薄さ、複数アプリの同時利用といった大画面活用を優先するならGalaxy Z Fold 8が有力な選択肢になる。
TechRadarも、明確な勝者と敗者を分けるというより、何を優先するかで選択が変わるとの見方を示した。折りたたみスマートフォン市場の競争軸が、単なる画面サイズから、携帯性や耐久性、ソフトウェアの完成度へと広がっていることを示す比較だとしている。