Deelは10月27日、グローバル雇用に特化した自社LLM群「Pangaea」と、AI研究組織「Emet」を発表した。150カ国以上の人事・給与・コンプライアンスに関する専門知識を学習し、検索を介さずに回答できる点を特徴とする。あわせて、モデル評価のための公開ベンチマークも展開する。
Pangaeaは、既存のオープンウェイトAIモデルをベースに開発した。学習には、150カ国以上の専門家2000人超が整備し、継続的に更新している4万3500ページ超の専門資料を活用したという。
Deelが蓄積してきた人事、給与管理、コンプライアンスの知見を基に、グローバル雇用に必要な情報を提供する。例えば、初めて海外で従業員を採用する企業が、現地の雇用規制や休暇制度、退職時の事前通知期間などを確認する用途を想定している。
同社によると、Pangaeaは検索を挟まず、学習済みの知識を基に直接回答する仕組みを採る。社内評価では、「Pangaea K1」がグローバル雇用関連の質問に対し、回答時間の中央値7.7秒を記録した。検索ベースの主要AIモデルは13〜28秒で、最大で約3倍速い応答だったとしている。
回答生成コストも約96%削減したという。
Deelはあわせて、AIモデルの評価と学習を担う研究組織としてEmetを立ち上げた。各国の給与、人事、コンプライアンスの専門家と連携し、実務に基づく学習データとAIモデルの評価基準を整備する。
これを基に、公開ベンチマーク「EmBench」を運用し、Pangaeaを含む各種AIモデルの性能を評価する。Emetは外部のAI開発企業にも開放し、今後は決済、精算、営業などへ評価領域を広げる予定だ。