ビットコインは8万ドル近辺で不安定な値動きが続いている。7万8000〜7万9000ドルに8000万ドル超(約121億円)の買い注文が控えるものの、市場ではそれだけで反発を見込むのは難しいとの見方が出ている。ブロックチェーンメディアのDecryptoが26日(現地時間)、伝えた。
アナリストのテッド・フィローウズは、この価格帯を次の重要な支持線として挙げた。ただ、買い注文が厚いことが、そのまま反発につながるわけではないとも指摘する。前日には8万ドル近辺の注文が約定して一時反発したが、その後は再び売り圧力が強まったという。
ビットコインは26日、一時7万9278ドルまで下落した後、8万291ドルまで戻した。ただ、直近1カ月では約5%下落しており、週間ベースでも3週連続の下落となっている。フィローウズは、週足の終値が8万ドルを下回れば、追加下落のリスクが高まる可能性があると警告した。
市場が注視しているのは、7万8000〜7万9000ドルに集まる流動性の中身だ。BinanceやBybitなど複数の取引プラットフォームに買い注文が並んでいること自体は下支え材料だが、その相当部分が現物ではなく先物市場主導とみられているためだ。先物の注文は実際の現物需要に直結しない可能性があり、約定前に取り消される余地もある。板情報だけでは、売り圧力をどこまで吸収できるか見極めにくい。
結局のところ、相場の行方を左右するのは現物需要だ。実需の買いが伴わなければ、待機注文が厚くても現在の価格帯を維持するのは容易ではない。買い手が8万ドルを守りながら売りを吸収できるかが、当面の焦点となる。
需給の鈍さを示す材料として、取引所間の資金移動やステーブルコインの流動性低下も挙がっている。CryptoQuantのアナリスト、R3Nは、取引所間のビットコイン移動が過去の市場サイクルと比べて大きく減少したと明らかにした。取引所間の資金循環が鈍っている可能性を示す動きと受け止められている。
CryptoQuantの寄稿者であるCryptoOnchainは、24日時点の取引所内ステーブルコイン準備金が606億2000万ドル(約9兆930億円)まで減少したと公表した。過去12カ月で最低水準という。全取引所ベースの純流入もマイナスとなり、7日平均の純流出は9390万ドル(約141億円)だった。売買に回る待機資金が細っていることを意味する。
米国の現物需要の弱さを示すシグナルも出ている。CryptoOnchainによると、Coinbaseプレミアム指数はマイナス圏に沈んだ。米国投資家の買い需要が十分に追いついていないことを示す指標とされる。こうした要因が重なり、ビットコインは8万ドル台を安定的に維持できていない。
焦点は、7万8000〜7万9000ドルに集まる流動性が実際の買いにつながるかどうかにある。現物需要が戻らなければ、ビットコインが改めて下落局面に入る可能性はなお残りそうだ。