Teslaはレンタカー・カーシェアプラットフォームのTuroと連携し、先進運転支援システム「Full Self-Driving(FSD、監督付き)」の体験機会を広げる。Turoは米国で、FSDを有効化したTesla車を利用者が検索できる仕組みを導入する。
TechCrunchなどが10月26日(現地時間)に報じたところによると、Turoは28日から米国内の車両一覧で、FSD対応のTesla車を区分表示する。利用者は対象車両を検索し、そのまま予約できるようになる。
TuroはTeslaと直接連携し、各車両でFSDが有効化されているかどうかを確認する方針だ。あわせて、一部のホストにはFSDを1カ月無料で試せる制度も設ける。
無料期間終了後のサブスクリプション料金は月額99ドル(約1万4850円)。Turoは、ホストがこの費用を日額の貸出料金に上乗せして回収できるとみている。一方で、FSD対応車の貸出料金を通常車より高く設定するかどうかは明らかにしていない。すでにFSDを有効化したTesla車が数千台、同プラットフォームに登録されているという。
今回の取り組みは、FSDの有料利用者拡大を目指すTeslaの戦略の一環ともいえそうだ。Teslaは先週、世界のFSD有料サブスクリプション契約者数が約170万人に達したと明らかにした。
第3四半期に北米で納車された顧客のうち、75%超がFSDサブスクリプションに加入したという。これは第2四半期から約20%増えた水準だ。ただ、同じ期間に米国での車両販売は減少した。
Teslaはこの1年、一部店舗の販売体制をFSD重視へと見直してきた。イーロン・マスク氏は最近、「人々は車にFSDを付けて買うのではなく、FSDに車が付いてくる形で買っている」と述べている。
また、Teslaの最高財務責任者(CFO)バイバブ・タネジャ氏も決算説明会で、顧客からは車種より先にFSDの試乗について問い合わせが寄せられるケースが増えていると説明した。
Turoも今回の連携によって、人気車種の貸出需要を押し上げ、ホストの収益機会を広げられるとみている。Turoによると、TeslaのModel 3とModel Yは今年、同社プラットフォームで人気車種の3位と4位に入った。
Turoの最高経営責任者(CEO)アンドレ・ハダッド氏は、今回の取り組みを「Teslaとの業界初の統合」と位置付けた。Turoの独自調査では、米国人の55%、Z世代の71%が旅行中に利用する自動運転技術に関心を示したという。
もっとも、FSDはドライバーの監督を前提とするレベル2の運転支援であり、完全自動運転ではない。Turoは利用者に対し、走行中は常にシステムを監視し、いつでも運転を引き継げるよう備えるよう案内するほか、Teslaが制作した利用ガイド動画も提供する。
一方で、車両一覧ではオーナーが自車を「自動運転」として訴求できるため、利用者が機能を過信する懸念も指摘されている。
今回の連携は、Tesla車を所有していない利用者にもFSDを体験する機会を広げ、Turoにとっては差別化された貸出サービスの提供につながる点で意味がある。ただ、FSD利用中に事故が起きた場合、利用者、車両オーナー、Turoのいずれが責任を負うのかについては、明確には示されていない。