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政府は11月中に、情報処理推進機構(IPA)内にホワイトハッカーの専門チームを発足させる。AIを悪用したサイバー攻撃への備えを強化する狙いで、攻撃者の視点から企業や機関のシステムに潜む脆弱性を洗い出し、先手を打って対策を講じる体制の構築を目指す。

赤沢亮正経済産業相は23日の閣議後記者会見で、ホワイトハッカーの専門チームを11月中に立ち上げる方針を明らかにした。

新組織はIPAに設置する。サイバー攻撃と防御の双方に精通したセキュリティ人材を集め、企業や各機関のシステムに対する脆弱性の点検を継続的に進める。

柱となるのは、AIを活用した侵入試験(ペネトレーションテスト)だ。実際の攻撃者と同じ視点で侵入を試み、弱点を把握したうえで、悪用される前に対策につなげる。

赤沢経産相は、最近の不正アクセス事案を受け、攻撃側がAIを使って広範囲に脆弱性を探っている可能性に言及した。そのうえで、「ハッカーは脆弱性を1つ見つければ侵入できるが、防御側はシステム全体を守らなければならない」と述べ、従来の防御中心の手法には限界があるとの認識を示した。さらに、高性能なAIを防御にも活用し、攻撃者に先んじて脆弱性を見つけて対処すべきだと強調し、攻撃技術まで理解する高度人材を確保する考えを示した。

足元では、Web開発で広く使われるプログラミング言語PHPで、リモートコード実行につながる恐れのある重大な脆弱性が見つかっており、警戒感が強まっている。

経済産業省は22日、国家サイバー統括室(NCO)と連携し、約1000団体に注意喚起を行った。IPAも、該当する脆弱性に対するセキュリティ更新を速やかに適用するよう呼びかけている。

政府は中小企業のセキュリティ対策強化にも取り組む。関連支援事業を拡充するとともに、2027年3月からはサプライチェーンのセキュリティ対策評価制度を始める計画だ。

一方、専門チームの具体的な人員規模や予算、活動範囲は現時点で明らかにされていない。AIを使った攻撃に対し、能動的に脆弱性を発見する体制の実効性をどこまで高められるかが今後の焦点となる。

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