Binanceへのビットコイン入金を巡り、個人投資家の動きが急速に強まっている。一方で、大口保有者(クジラ)の入金はこの約2カ月、減少基調が続いており、市場参加者のスタンスの違いが鮮明になっている。
ブロックチェーンメディアのCoinpostが26日(現地時間)に報じた。CryptoQuantのアナリスト、ダークポストがBinanceにおけるビットコインの入金フローを分析した結果、個人投資家とクジラで対照的な動きが確認されたという。
個人投資家のBinanceへのビットコイン入金額は、30日累計で55億ドル(約8兆2500億円)から107億5000万ドル(約16兆1250億円)へとほぼ倍増した。約6カ月ぶりの高水準となる。ダークポストは、ビットコインが数週間にわたって8万ドルを上回る水準を維持するなか、個人投資家の入金が急増したと指摘した。
取引所への入金は一般に、保有する暗号資産を売却する前段階と受け止められる。オンチェーン分析では、潜在的な売り圧力を測る代表的な指標の一つだ。ダークポストは、個人投資家はクジラに比べて感情的に動きやすく、価格変動にも敏感に反応する傾向があるとしたうえで、今回はその乖離が「特に大きい」と評価した。
一方、クジラのBinanceへのビットコイン入金は、この約2カ月で減少が続いた。8月末に59億ドル(約8兆8500億円)だった入金額は、38億ドル(約5兆7000億円)まで低下した。減少率は約36%。ダークポストはこの流れについて、「クジラに差し迫った動きの兆候はない」との見方を示した。
足元の価格反発に対する受け止め方の違いも、こうした入金動向に表れている。ダークポストは、1年にわたる下落後に訪れた最初の反発局面を、個人投資家が持ち高を整理する好機として活用しているように見えると分析。より納得できる価格で保有分を処分し、蓄積していた心理的な負担を和らげようとする動きが、取引所への入金増加につながったと説明した。
これに対し、クジラは現在の価格帯で保有分を急いで市場に放出するシグナルを示していない。Binanceへの入金自体が減っているためだ。市場では、ビットコイン価格が一段高となった場合でも、クジラが入金抑制を維持するかが次の焦点となっている。
今回の動きは、同じ強気局面でも参加者ごとに戦略が異なることを示している。個人投資家が反発局面を利益確定の機会とみる一方、クジラはなお売却を急いでいない構図だ。今後は、個人主導の取引所流入が実際の売り圧力につながるか、またクジラの入金減少が続くかが、ビットコイン需給を見極めるうえで重要なポイントとなる。