GoogleはAIモデルの開発プロセスにAIを取り入れているが、再帰的自己改善(RSI)が本格的に始まったとみるのは時期尚早だ。スンダー・ピチャイCEOは、現状について研究者とAIエージェントの協業段階にあるとの認識を示した。
Business Insiderによると、ピチャイ氏は23日(現地時間)、ポッドキャスト「Big Technology」に出演し、Googleの研究者がAIエージェントの支援を受けながらモデルを開発していると明らかにした。
同氏は、現在のRSIのループは研究者を支援する形で機能していると説明した。AIエージェントが自動化された手法で研究者を補助し、モデル開発を共同で進めている段階だという。
その上で、こうした流れは来年も続き、さらに進展するとの見通しを示した。Google社内でのAI活用は、次世代モデルの研究開発にも広がっているとした。
これに先立ち、Google共同創業者のサーゲイ・ブリン氏も今月初め、「Flash」系モデルと「Gemini 4」が「AIが自らを作る方法」を示していると言及していた。ブリン氏は最近、Gemini開発への関与を強めており、より効果的だと判断したプロジェクトに資源を集中するよう影響を与えてきたという。これには、RSI関連の取り組みの優先順位を引き上げる動きも含まれる。
RSIの到来時期を巡っては、業界内でも見方が分かれている。今月初めに公表されたGladstone AIの報告書では、AnthropicやDeepMindなど主要企業の研究者の多くが、3~12カ月以内にRSIが始まる可能性があるとみているとされた。政府の介入がなければ、その時期がさらに早まる可能性があるとの見方も盛り込まれている。
一方でピチャイ氏は、Googleの現状について、完全な自己改善よりも研究者とAIエージェントの協業に重きが置かれていると説明した。
Googleは今年4月、新規コードの75%がAIによって生成されたと発表した。ただ、ピチャイ氏はこの数字だけで実態を語るのは難しいとの認識を示した。開発者が扱うコードの大半がすでにAIの影響を受けており、単純な生成比率だけでは現状を捉えにくくなっているという。
また、同氏は「Gemini 4 Argon」にも触れ、開発者は今後、より難度の高い問題に集中するようになるとの見通しを示した。Google社内では、バグやシステム上の問題によってコードを以前のバージョンに戻すロールバックが3分の1減少したという。AIツールによって生産性が高まり、コード品質も向上していると評価した。
さらに同氏は、別のポッドキャスト「Sources」でも、AIを使ってGoogleのモデル開発の現状や社内での議論を把握していると明らかにした。AIの活用は研究やコーディングにとどまらず、経営判断の支援にも広がっている。
今後の焦点は、研究者を補助するAIエージェントの自律性がどこまで高まるか、そしてRSIを巡る業界の期待と実際の開発スピードとの隔たりがどこまで縮まるかに移りつつある。