写真=Reve AI

X(旧Twitter)のイーロン・マスクCEOは、「いいね」ボタンを長押しすることで1ドルを送金できる機能をX Moneyに追加する考えを明らかにした。開始時期や送金先の範囲など詳細は公表していない。

CoinPostによると、マスク氏は10月25日、Xへの投稿で「いいねを長押しして、誰かに1ドルを送れるようにする」と述べた。機能はXの決済サービス「X Money」を通じて提供される見通しだ。

現時点では、送金先が投稿者に限られるのかどうかは不明だ。クリエイター支援やチップ機能としての活用も想定されるが、受け取り側にX Moneyのアカウントが必要かどうかも明らかになっていない。

SNSの反応機能と決済を直接結び付ける点が今回の特徴となる。日常的に使われる「いいね」操作に少額送金を組み合わせることで、送金のハードルを下げる可能性がある一方、単純な個人間送金なのか、支援機能なのかといった実装の位置付けはなお見えていない。

X Moneyは米国でサービスを拡大している。7月27日にはPremiumおよびPremium+加入者向けに提供を開始し、条件に応じて預け入れ残高に年率最大6%の利回りを付与するほか、Visaデビットカードも発行する。預かり資産はCross River Bankが管理する。サービス提供地域は米国に限られるが、9月23日からは有料プラン未加入の米国ユーザーにも対象を広げた。

一方で、暗号資産への対応はまだ実現していない。現行のX MoneyはBitcoinやDogecoin、ステーブルコインを取り扱っておらず、オンチェーン決済にも対応していない。このため、今回の1ドル送金もドル建て残高を使う可能性があるが、具体的な決済手段は示されていない。マスク氏とDogecoinの関係から暗号資産導入を期待する見方もあるが、足元のサービスは既存の金融決済を軸としている。

ステーブルコイン導入の有無も不透明だ。エリザベス・ウォレン米上院議員は4月、マスク氏に書簡を送り、X Moneyの消費者保護策や金融安定への影響に懸念を示した。その中で、2025年成立の米ステーブルコイン規制法「GENIUS Act」における民間企業関連の条項に触れ、Xが決済向けステーブルコインの発行を検討しているかどうかもただしたという。ただ、報道によれば、Xは7月のサービス開始時点までこの照会に回答していない。

今回の予告は、SNSと金融サービスの融合を進めるXの方針を改めて示した格好だ。今後は、実際の提供時期に加え、送金相手の範囲、受け取り側のアカウント要件、米国外への展開可否が焦点となる。暗号資産決済への対応も引き続き注目点となりそうだ。

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