Cardanoの暗号資産ADAを巡り、過去最高値の更新は難しいとの見方が市場で出ている。2021年に付けた高値からの下落が長期化しているうえ、エコシステム内部ではガバナンス対立やプロジェクト終了も相次ぎ、投資家心理の重荷となっている。一方で、今後のアップグレード計画を材料に強気の見方も残っている。ブロックチェーンメディアのDecryptoが24日(現地時間)に報じた。
ビットコイン支持者として知られるネブラスカン・グーナーは、X(旧Twitter)に「ADAは決して新たな史上最高値を記録しない」と投稿した。
ADAは2021年9月に3.10ドル(約465円)の史上最高値を付けた後、複数回の反発局面でも同水準を回復できていない。2024年11月には1.30ドル(約195円)まで上昇したものの、その後は上げ幅の大半を失った。2025年にも一時1ドル(約150円)を上回ったが、上昇基調は定着せず再び下落した。
足元の価格は0.20ドル(約30円)水準で、過去最高値から93.26%下落している。3.10ドルを再び試すには約1385%の上昇が必要になる。ネブラスカン・グーナーはこうした価格差を踏まえて弱気の見方を示したとみられるが、具体的な分析や根拠は示していない。
背景には、Cardanoエコシステム内の混乱もある。ガバナンスを巡る対立に加え、コミュニティの年次サミット中止やTapToolsなどのプロジェクト終了が続き、エコシステムの勢いが鈍っているとの懸念が強まった。一部の主要なコミュニティ関係者も、Cardanoと距離を置き始めたとされる。
今週には、コミュニティ関係者のクリス・オが、エコシステム内で担っていたDRepの役割を退く考えを明らかにした。ADAはもはや自身の最大保有資産ではないとしたうえで、Cardano Foundationについても、利用拡大や競合ネットワークへの対応が不十分だったと批判した。とりわけSuiなどの競合を挙げ、対応スピードの差を指摘した。
こうした状況を受け、ADAを巡る投資家心理は一段と冷え込んでいる。ただ、ガバナンス問題や普及面での不安が、直ちにCardanoの長期的な回復可能性を否定するとの見方ばかりではない。ネットワークのアップグレード計画や、DeFiエコシステム拡大に向けた取り組みが残っているためだ。
Cardano側は今後、レイオスのメインネット投入や「RealFi」構想を回復の材料として打ち出している。強気派の市場参加者は、これらの計画がDeFiエコシステム拡大の契機になり得るとみている。暗号資産アナリストのキャプテンは逆に強気の見通しを示し、2026年末までにADAが4ドル(約600円)の新高値に達する可能性があると述べた。
もっとも、こうした予測は足元の価格低迷を踏まえると、現時点ではなお仮説の域を出ない。過去最高値の回復には大幅な反発が必要で、エコシステム内部の不確実性をどこまで解消できるかも問われる。価格反発の有無とエコシステム再建の進展が、今後の焦点となりそうだ。