米国道路交通安全局(NHTSA)は24日、自動運転車が自動運転中であることを車外から示す青緑色の外部識別灯の導入案と、連邦自動車安全基準(FMVSS)の改定草案を公表した。自動運転車の普及を見据え、車両の識別方法や安全基準を整備する狙いがある。
Electrekなどの報道によると、草案の柱は、自動運転モード時にのみ点灯する青緑色の外部識別灯だ。警察官や救急隊員らが、運転席に人がいない車両に遭遇した際、その車両が自動運転中であることを即座に把握できるようにする。米国では現在、自動運転状態を示す標準化された表示方法は定まっていない。
草案では、識別灯は自動運転中に限って点灯し、手動運転時は消灯することを求めた。各表示灯は一斉に点灯・消灯し、車両の前方、左右側面、後方から確認できなければならない。設置高さは地上15インチ以上とした。
一方、識別灯の装着は義務ではなく任意としている。
この案は、Mercedes-Benzが先行して示してきた方式を踏まえたものだ。Mercedes-Benzは、レベル3の運転支援システム「Drive Pilot」とあわせ、車両外部に青緑色の識別灯を設ける構想を打ち出してきた。
Drive Pilotは、一定条件下で運転タスクを車両側に委ねられるよう設計されている。Mercedes-Benzはカリフォルニア州で2年間、この識別灯システムを試験しており、NHTSAは米自動車技術者協会(SAE)の意見も踏まえ、これを全米共通の基準として整備する方向で検討している。
中国も今週、類似の基準案を公表した。2028年の施行を目指し、自動運転車の表示灯に青緑系のターコイズ色を用いる案を示している。車両ごとに異なる灯火表示が乱立する状況を避け、自動車メーカーに統一的な表示体系の採用を促す狙いがある。
今回の米国案には、識別灯の基準に加え、自動運転車の設計特性を踏まえた安全規制の見直しも盛り込まれた。現行規定では、方向指示器は、一定角度以上切ったステアリングが中立位置に戻ると自動的に消灯する仕組みを求めている。しかし、ステアリングを持たない自動運転車では適用が難しいとして、この要件を削除する案を示した。
前照灯に関する規定についても、車両設計の柔軟性を高める方向で一部見直す。
こうした改定は、TeslaのCybercabやZooxのロボタクシーのように、従来車と異なる構造を持つ自動運転車に現行基準を対応させる狙いがある。一方で、自動運転車を前提とした規制緩和が安全基準の後退につながらないよう、慎重な検討を求める声もある。
NHTSAは近く、この草案に関するパブリックコメントの募集を始める予定だ。意見募集期間は30日間としている。