Samsung SDIは10月26日、米エネルギー企業Alpha Omega Power(AOP)向けにエネルギー貯蔵システム(ESS)を追加供給すると発表した。米州法人Samsung SDI AmericaがAOPと1GWh規模の供給契約を締結した。昨年末の初回契約分を含めた累計供給量は1.5GWhとなる。
AOPは今回調達する製品を、2027年にテキサス州で着工する大型電力プロジェクトに導入する予定だ。Samsung SDIは今年に入り、米エネルギー企業からの受注が相次いでいる。
供給するのは、ニッケル・コバルト・アルミニウム(NCA)系電池を採用した一体型ESSソリューション「SBB 1.7」。Samsung SDIはインディアナ州のStar Plus Energy(SPE)工場で同製品を生産し、年内に納入する。
「SBB 1.7」は従来モデル「SBB 1.5」と同じ20フィートサイズを維持しつつ、ハイニッケルNCA材料の採用によりエネルギー密度を17%高めた。人工知能(AI)を活用して異常の兆候を事前に検知し、寿命を予測するアルゴリズムも搭載する。Samsung SDIは、ESS向けの設計ノウハウを反映した製品だとしている。
安全性に関する認証も取得している。「SBB 1.7」は、米国防火協会の火災安全設置基準「NFPA 855」と、ESS安全認証「UL 9540」を取得した。Samsung SDI独自のEDI技術も適用しており、火災安全性の向上に寄与する技術としている。
Samsung SDIは、現地の複数の顧客と追加契約を協議しており、近く追加受注が見込まれるとしている。
業界では、受注拡大の背景に角形電池技術があるとの見方が出ている。Samsung SDIは北米で、中国系以外では唯一の角形ESS用電池メーカーだという。パウチ型に比べて耐久性と火災安全性に優れる点が、要求水準の高い現地顧客の採用判断につながったとの分析もある。
AOPのポール・チェCEOは「Samsung SDIの米国産ESSは、当社の持続的な成長に重要な役割を果たす」とした上で、「今回の2次契約は、次世代エネルギーインフラを支える米国内サプライチェーンの強化にも寄与する」と述べた。
Samsung SDIの米州法人でESSチーム長を務めるファブリス・ハドリ副社長は「AOPは米国で最も急成長している独立系発電事業者の一つだ」とコメント。「差別化した技術力と現地生産を強みに、北米ESS市場で事業基盤を継続的に拡大し、プレゼンスを一段と高めていく」と述べた。