オープンソースAIツールを悪用した大規模な自動化攻撃が確認された。写真=Shutterstock

中国語を使うハッカーが、AIエージェントを悪用して米国や日本などの企業サイトを攻撃していた可能性があることが分かった。脆弱性の探索からシステム侵入まで、攻撃プロセスの相当部分をAIが自動化していたとみられ、必要な時間とコストの大幅な低下が改めて浮き彫りになった。

サイバーセキュリティ企業NorForgeは20日、オープンソースAIツール「Cairn」を悪用した大規模なサイバー攻撃の事例を公表した。

Cairnは、利用者が開始条件と目標を設定すると、AIエージェントが複数の経路を探索しながら目標達成に向けた手順を実行するツール。セキュリティ診断にも活用できる一方で、今回の事例では実際の侵害行為に転用されたという。

NorForgeのシニア脅威リサーチャー、スノレ・ファーガーランド氏は、インターネット上に公開状態となっていたCairnの管理画面を調査する過程で、悪用の痕跡がある管理パネルを20件以上確認したと明らかにした。

このうち最も活発だった攻撃グループは「AIA0001」と分類された。14の管理画面を使って1100件超の攻撃プロジェクトを実行し、主な標的は米国、日本、オーストラリアの企業だった。特にECサイトや決済システムに対し、継続的なアクセス権の確保を狙っていたという。

研究チームによると、AIA0001は96件のプロジェクトで所期の目的を達成した。ほかの攻撃グループを含めると、全体のプロジェクト数は1200件超、目的達成は130件超に上った。

成功したプロジェクトの平均所要時間は約23時間だった。AIツールの利用コストは攻撃全体で約5000ドルと推計され、成功1件当たりでは約50ドルにとどまった。

被害企業としては、米農業機械メーカーのDeere & Company、家電メーカーのSharkNinja、エンジンメーカーのCumminsなどが挙げられた。

Deere & Companyは、必要な是正措置を講じた上で、機微情報へのアクセスを示す痕跡は確認されていないと説明した。SharkNinjaは、製品サポート用の別サイトで発生した脅威を遮断したとした。Cumminsは、外部事業者が運営するWebサイトに対する不正アクセスの可能性を調査している。

もっとも、130件超の目的達成が、すべて独立に確認された情報流出を意味するわけではない。攻撃者の国籍も確認されていない。

NorForgeは今回の事例について、AIを用いたハッキングが自動化と低コスト化の段階に入ったことを示すものだと指摘し、企業に対してセキュリティ対策の強化を呼びかけた。

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