アイルランド出身の薬物犯罪者、クリフトン・コリンズ(Clifton Collins)に関連するとみられるビットコインウォレットが、約10年ぶりに動いた。500BTC(約4152万ドル)がCoinbase Primeに送金された。
20日、暗号資産メディアのU.Todayによると、送金元は10年以上動きのなかったウォレットだという。ブロックチェーン分析会社Lookonchainも当該取引を追跡した。
今回移動したビットコインは、コリンズが約10年前に保有していた6000BTCの一部とされる。コリンズは2011年末から2012年初めにかけて、大麻栽培によってビットコインを集めたとされ、当時の価格は数ドル台だった。
保有額が膨らんだことから、コリンズはハッキングを警戒し、資産を500BTCずつ12のウォレットに分散して保管した。秘密鍵はA4用紙に印刷し、釣りざおケースのアルミ製キャップの内側に隠したという。ケースはアイルランドのゴールウェイ州にある賃貸住宅で保管していた。
その後、2017年に車両から大麻が見つかって逮捕され、5年間服役した。収監中には賃貸住宅が空き巣被害に遭い、家財道具は処分されて地元の埋立地に運ばれたとされる。秘密鍵を隠していたとされる釣りざおケースも行方が分からなくなった。
アイルランド当局はその後、関連ウォレットへのアクセス確保と押収を進めた。2026年3月には、アイルランド犯罪資産管理局(CAB)が、ユーロポル傘下の欧州サイバー犯罪センターの支援を受け、アクセス不能とみられていた500BTC分のウォレットへの接続を確保したと発表した。5月と7月にも、それぞれ500BTCを追加で押収した。さらに8月28日には、500BTC(約3956万ドル)がCoinbase Primeへ送金されている。
10月20日の送金は、コリンズ関連ウォレットから2026年に入って500BTC単位の資金が外部に移った5件目のケースとなる。紛失したとされていた秘密鍵にひもづくビットコインが相次いで動いたことで、長期間アクセス不能とみられていた資産の回収がどこまで進んでいるのかにも関心が集まっている。
一方で、今回の送金の目的は確認されていない。Coinbase Primeへの移動が確認されたことだけでは、売却の有無や送金の背景までは判断できない。