取引所のXRP残高が減少しても、それだけで供給ショックや価格急騰を見込むのは難しいとの見方が出ている。Rippleがなお大量のXRPを管理しており、エスクロー解除も定期的に続いているためだ。
The Crypto Basicは10月5日、足元でXRP保有者の間に、取引所からの出金が進めばBinanceやCoinbaseなどで売却可能なXRPが不足するとの期待が広がっていると報じた。
ただ、実際の供給構造を見ると、取引所残高の減少だけでは需給逼迫を判断する材料として不十分だとの指摘もある。焦点となるのは、取引所からXRPが消えるかどうかではなく、流入する需要に対して即時に売却可能な数量がどの程度残っているかだ。
Rippleの最新開示によると、6月30日時点で同社が管理するXRPは376億5600万枚だった。これは総発行量1000億枚の約37.7%に当たる。このうち326億枚はオンチェーンのエスクローでロックされており、エスクロー外の保有分は約50億6000万枚だった。市場の一部で指摘されてきた「Rippleが供給量の半分を握っている」との見方は、現時点の数字とは一致しない。
Rippleは2017年、550億枚のXRPをエスクローに預け入れ、毎月最大10億枚が解除される仕組みを導入した。未使用分は新たなエスクロー契約に再び組み入れることができるため、実際の市場流入時期は後ずれする可能性がある。
この仕組みは10月1日にも運用された。当日は計10億枚のXRPが4件の取引で解除され、その後Rippleは7億枚を再びエスクローに戻した。月間の解除分のうち3億枚は再ロックされずに残ったが、これが直ちに市場売却を意味するわけではない。
取引所の流動性指標も、供給不足観測とは異なる動きを示している。Binance関連の最新データでは、「XRPのBinance希少性指数」が約マイナス0.94まで低下した。2025年1月以降で最も低い水準で、Binance内のXRPが相対的に潤沢になっていることを示す指標とされる。
XRPの供給を巡る議論では、Rippleのエスクロー構造が引き続き重要な変数となっている。ただ、この仕組みはRippleに無制限の供給余地を与えるものではなく、エスクロー分を任意のタイミングで放出できるわけでもない。
一方で、毎月のロック解除が繰り返される以上、これまで拘束されていた供給の一部が、時間の経過とともに段階的に市場に出回り得る状態へ移っていく点には注意が必要だ。
最終的なXRP価格は、新規需要の流入と保有者の売却意欲のバランスに左右される。Rippleの保有残高はその計算に影響し得るが、足元のデータだけで将来の供給不足を否定したり、取引所在庫が常に残るため上昇しないと断定したりするのは難しい。