AIインフラ拡大の制約は需要不足ではなく、半導体メモリや電力供給にあるとする見方を示した(写真=Shutterstock)

ノキアのジャスティン・ホタード最高経営責任者(CEO)は、AIデータセンター投資が過剰だとする見方を否定し、供給面の制約がなければ業界全体の建設ペースは現在の2倍に達し得るとの認識を示した。CNBCが5日(現地時間)に報じた。

ホタード氏はCNBCのポッドキャストで、AIインフラ需要はなお立ち上がり段階にあると説明した。その上で、業界が過剰建設の局面に入ったとは言えないとし、「自社も顧客も今の2倍のペースで建設できるなら、おそらくそうしていただろう」と述べた。

建設拡大を妨げる主な要因として挙げたのは、半導体メモリの不足と電力供給の制約だ。

こうした発言は、AI業界でデータセンターや半導体、電力インフラへの投資が過熱しているのではないかとの議論が続く中で出たものだ。市場では、AIサービス需要が長期にわたって拡大しなければ、巨額投資を正当化しにくいとの懸念もくすぶっている。

CNBCによると、データセンターや半導体、関連インフラを含むAI関連投資は、2025年から2032年にかけて10兆3000億ドル(約1545兆円)に達する見通しだ。

ノキアは従来の通信機器メーカーから、AIインフラ企業へと事業の軸足を移している。データセンター内部でチップラックを接続するネットワーク技術のほか、地域間のデータセンターを結ぶ技術も手がける。

AIブームの中で、いわゆる「つるはしとシャベル」を担う企業として市場の見方も変化した。こうした期待を背景に、同社株は過去1年で約130%上昇した。

ただ、市場の警戒感は先月いったん強まった。Anthropicの研究者による警告をきっかけに、先端AIモデルの開発ペースを抑えるべきだとの議論が浮上。ダリオ・アモデイ氏が最先端モデル開発の減速を促したことで、AI関連銘柄に売りが広がった。

これに対しホタード氏は、AI需要を最新モデルの登場だけで測るべきではないと強調した。「導入の観点でみれば、まだ非常に初期の段階にある」とした上で、「これらのモデルは極めて強力で、実際に導入を進めるだけでも大きな需要が生まれる」と語った。

さらに、「今後3年間、新たな最先端モデルが1つも登場しなくても、既存技術を導入するだけでかなりの進展が見込める」と述べた。

業界の関心は、AIモデルそのものの競争から、サービス拡大を支えるインフラをいかに確保するかへと移りつつある。半導体メモリや電力供給といったボトルネックの解消が、今後のデータセンター増設ペースや関連企業への投資動向を左右しそうだ。

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