Intel株は米国時間5日の時間外取引で4%超下落した。TerafabとTSMCが協議しているとの報道に加え、イーロン・マスク氏が協議の存在を認めたことで、TerafabにおけるIntelの関与が必ずしも確定的ではないとの見方が広がった。Decryptが報じた。
Intel株はNASDAQの時間外取引で一時4.1%安の114.43ドル前後まで下落した。TerafabにはすでにIntelが参画しているが、ここに別の先端半導体メーカーが加わる可能性が浮上したことで、Intelの役割や受注の位置付けを見直す動きが出た。
この協議の内容は、10月2日にティム・カルパン氏が最初に明らかにした。示された構想の1つは、TerafabがTSMCの保有・運営するテキサス州の新工場で主要顧客になるというものだ。これ以外の案もあわせて検討されているという。
マスク氏は翌日、X(旧Twitter)への投稿で「まだ協議中に過ぎないが、何らかの形になる可能性はある」と説明した。現時点でTSMCとTerafabは正式合意を発表していない。
TSMCのテキサス州での投資計画を巡っても観測が出ている。TSMCはアリゾナ州での拡張とは別に、テキサス州での製造投資も検討したとされるが、計画は固まっていない。TSMCはこの件についてコメントしていない。
Intelは4月、Terafabプロジェクトへの参画を表明した。これに続き、マスク氏は同プロジェクトでIntelの次世代14Aプロセスを採用する計画に言及していた。当時は、Intelのファウンドリー戦略の中核技術である14Aが初の大型顧客を確保したとの受け止め方もあった。
ただ、SpaceXの公開文書からは、Intelの立場が一般的な長期ファウンドリー契約のように固まっているわけではないこともうかがえる。文書では、IntelがTerafabに対し、チップ設計、製造、パッケージングに関する専門性を提供する見通しとしつつ、個別案件は別途の交渉と契約に左右されると説明している。
また、SpaceXはSECとの書簡で、TeslaとIntelのいずれもプロジェクトへの関与を継続する義務はなく、最終契約が締結されない可能性もあるとした。Terafabが実際の生産をどのメーカーにどの程度配分するかは、なお流動的であることを示唆している。
もっとも、TSMCとの協議が直ちにIntelの排除を意味するわけではない。マスク氏は、TSMCの参加はIntelの代替ではなく、補完的な位置付けになり得るとの見方も示している。Terafabが極めて大規模な生産能力の確保を目指していることも、複数メーカー関与の可能性を後押ししている。
テキサス州知事室によると、Terafabの第1段階の投資額は168億ドル(約2兆5200億円)超。プロジェクト文書では、4段階にわたる総投資額が約1190億ドル(約17兆8500億円)に達する可能性があるとしている。同施設は、マスク氏が率いる複数企業の将来的な1テラワット超のコンピューティング需要を満たすことを目標に掲げる。
今回の下落は、Intel株が年初来で急騰した後に起きた。Intelは4日に119.33ドルで取引を終え、年初来の上昇率は約223%に達していた。時間外取引の114.43ドルは52週高値の142.35ドルを19.6%下回る一方、52週安値の32.89ドルに比べるとなお約248%高い水準にある。
一方、CoinMarketCapによると、Intelのトークン化株式「INTCB」は24時間で3.67%安の114.46ドルで取引された。24時間取引のため、NASDAQの時間外株価とは単純比較しにくい。