写真=23日、米ハワイ州マウイで開かれたQualcomm Snapdragon Summitの基調講演に登壇したGoogle副社長兼XR部門GMのシャラム・イザディ氏[Snapdragon Summit 2026共同取材団]

【マウイ(米国)】Googleは、Android XR対応機器の展開を拡大する。機器形状に応じて異なるSnapdragonプラットフォームを使い分け、ヘッドセットからメガネ型まで幅広く対応する。Snapdragon AR1を搭載するAIメガネは、アイウェアブランドと協業し、年内に発売する予定だ。

Google副社長兼XR部門GMのシャラム・イザディ氏は23日(現地時間)、米ハワイ州マウイで開催されたQualcomm Snapdragon Summitの基調講演で、「パーソナルコンピューティングの未来は単一のデバイスでは語れない」と述べた。その上で、利用者が1日を通して複数のデバイスをまたいで行動し、文脈や意図を理解するパーソナルAIを実現するには、シリコンとコンピューティング、AIを統合したプラットフォームが必要だとの認識を示した。

QualcommでXR・ウェアラブル・パーソナルAI部門を統括するジアド・アスガー上級副社長も、「スマートフォンはエージェンティック体験のハブであり続けるが、個人に最適化されたAIには身に付けるデバイスが欠かせない」と説明した。ウェアラブル機器は常時装着でき、スマートフォンをポケットやバッグから取り出すより手軽に使えるほか、見ているものや聞いているものを共有しながら、機器ごとに異なる文脈をAIに渡せるとした。

GoogleはSamsung Electronicsと共同開発したAndroid XRを、Snapdragon XRプラットフォームに合わせて最適化した。イザディ氏は、Android XRをヘッドセットからメガネ型まで幅広いフォームファクターに対応する、Gemini時代初のAndroidプラットフォームと位置付けた。

第1弾となるSamsung Electronicsの「Galaxy XR」は、仮想ワークスペースや大画面映像、3Dゲームに対応する没入型ヘッドセットだ。利用者は目の前に表示された内容についてGeminiに質問したり、ゲーム中に支援を受けたりできるという。

一方、「XREAL Aura」は有線接続のXRメガネで、外部ハブでAndroid XRを動作させることで本体の軽量化を図った。機内やカフェでも仮想ワークスペースを利用でき、ノートPCや携帯ゲーム機をハブに接続すれば、その画面を空間内のウィンドウとして表示できるとしている。

ディスプレイを搭載しないAIメガネも投入する。GoogleがQualcommと共同開発するこの製品は、Geminiの応答を音声で提供する。リアルタイムの会話翻訳やナビゲーション、周辺の物体に関する質疑応答に加え、音楽再生、写真撮影、通話もスマートフォンを取り出さずに操作できるという。周囲の状況を把握し、必要な場面でのみ支援する設計としている。

腕時計型では、SnapdragonベースのPixel Watch 5が「Gemini Intelligence」に対応する。イザディ氏は「ウォッチは通知を一時的に確認する画面として始まり、健康や人、情報をつなぐデバイスへと進化してきた」と説明した。例として、友人がベビーシッターの連絡先を尋ねた場合、ウォッチが連絡先を即座に表示し、指を寄せる動作で送信できると紹介した。機器ごとに搭載プラットフォームを分けたのは、サイズやバッテリー条件がそれぞれ異なるためとみられる。

Qualcommは、さらに小型で低消費電力の機器にも対応領域を広げている。基調講演では、視覚障害者がメガネだけを装着し、リンゴの色を尋ねるデモも披露した。メガネが機内モード、つまりオンデバイスAIの状態で、内蔵AIモデルが赤いリンゴだと回答したという。アスガー氏は、低消費電力のセンシングハブが画像から必要な部分だけを取り出して利用者の文脈を把握し、Hexagon NPUとマイクロNPUがAI演算を段階的に分担すると説明した。

Qualcommは、Snapdragon AR1とAR1+を、1ビットのマルチモーダルモデルに対応するパーソナルAI向けプラットフォームだと強調した。1ビットモデルはメモリ使用量を大幅に抑え、小型機器でもより大きなAIモデルを動かせるようにするという。QualcommはMetaと初期のスマートグラスから協業してきたほか、SnapのARメガネやSamsung Electronicsのウォッチ、XR機器にもSnapdragonを供給している。

追加機器は年内に順次投入する。XREAL Auraは、Snapdragon Reality Eliteプラットフォームを初めて搭載する機器として近く発売する予定だ。AIメガネはGentle Monsterなどのアイウェアブランドと協業し、Snapdragon AR1を搭載して年内に発売する。イザディ氏は「今後数カ月でさらに多くを示す」と述べた。

キーワード

#Google #Android XR #Qualcomm #Snapdragon #Samsung Electronics #Gemini #XR #AIメガネ #Pixel Watch 5 #XREAL Aura
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.