ドナルド・トランプ米大統領が7月、Strategy株式を最大10万ドル(約1500万円)分買い付けていたことが明らかになった。米政府倫理局への開示資料で判明した。Coinbase株の購入に加え、ビットコイン採掘関連のMARA Holdings株とCleanspark株の売却も確認され、政権が暗号資産支援策を進める時期と重なったことで市場の関心を集めている。
Cointelegraphなどが23日(現地時間)に報じたところによると、トランプ氏は7月27日付で、Strategy株式を5万001ドル〜10万ドル(約750万円〜約1500万円)分購入したと開示した。
開示資料によれば、同氏はその3日前の7月24日にも、Strategy株式を1001ドル〜1万5000ドル(約15万円〜約225万円)分買い増していた。Strategyは上場企業として最大規模のビットコイン保有企業で、bitcointreasuries.netの集計では84万6000BTCを保有している。7月27日の買い付けは、今回開示された暗号資産関連銘柄の取引としては最大規模だった。
開示資料ではこのほか、Coinbase株の購入と、MARA Holdings株およびCleanspark株の売却も確認された。ただ、記載されているのは取引額のレンジのみで、保有株数は示されていない。このため、Strategy株式の現在の保有規模は不明だ。
もっとも、今回の買い付けは同氏の運用資産全体からみれば一部にとどまる。7月20日にはMicrosoft株とAmazon株をそれぞれ500万ドル〜2500万ドル(約7億5000万円〜約37億5000万円)規模で売却した。同月にはこのほかにも、100万ドル〜500万ドル(約1億5000万円〜約7億5000万円)単位の売買を複数回実施している。ホワイトハウスは同日、CNBCに対し、トランプ氏の株式・債券ポートフォリオは第三者の金融機関が独立して運用しており、同氏や家族は運用に関与していないと説明した。
開示内容に加え、足元のStrategy株の値動きにも注目が集まっている。Yahoo Financeによると、同株は直近5営業日で約30%、直近1カ月で約37%上昇した。今回の購入規模は、bitcointreasuries.netに記録されている2月12日のStrategy株式購入と同水準という。トランプ氏の口座では今年に入り、Strategy株式の小口売買も複数回報告されている。
今回の開示は、トランプ政権が連邦規制当局や議会を通じて暗号資産業界への支援策を進める局面で公表された。議会では包括的な市場構造法案の審議が遅れている。上院は9月15日、クラリティ法案を前進させるための手続き採決を通過させられなかった。一方で、規制当局は既存権限を使って個別の措置を進めている。
米証券取引委員会(SEC)は、手続き採決が不成立となってから2日後、暫定的な免除措置により、トークン化された米国株の限定的なオンチェーン取引を認めた。米商品先物取引委員会(CFTC)も、規制対象のデリバティブ市場へのアクセスを提供する一部ソフトウェア企業について、登録要件を緩和した。さらに9月17日には、「暗号資産の取引規制および暗号資産市場規制」と題する、より広範な規則制定案をホワイトハウスの審査に回付した。ただ、この案はなお初期段階にあり、正式提案には至っていない。
ビットコイン関連政策も並行して進んでいる。米下院金融サービス委員会は先週、トランプ氏が掲げる「戦略的ビットコイン備蓄」構想を法制化する法案を、28対21で可決した。法案では、備蓄資産に組み入れたビットコインを少なくとも20年間保有すると定めている。Arkham Intelligenceの集計によると、米政府は現在約32万4527BTCを保有している。
このため、トランプ氏によるStrategy株式の買い付け開示は、単なる個別銘柄の売買にとどまらず、政権の暗号資産政策と重なる動きとして受け止められている。一方で、開示制度上は実際の残高や正確な保有株数までは確認できず、今後の追加開示で保有状況の変化が示されるかが焦点となる。