写真=Tesla Semi(Tesla提供)

Teslaが、米国で過去最大級となるバッテリー式クラス8トラック2500台案件で主要供給先に選ばれた。案件規模は、現在米国で走行している電動クラス8トラックの総数をほぼ倍増させる可能性がある。

米EV専門メディアElectrekによると、荷主連合「ZET SCALE」は22日、米国でバッテリー式クラス8トラック2500台を一括発注した。ZET SCALEは将来的に1万台超の電動トラック導入を目指している。

もっとも、2500台すべてがTesla Semiに割り当てられたわけではない。ZET SCALEはTeslaを主要供給先に選定し、Kenworth、Volvo、RIDEも供給先に加えた。メーカー別の配分は公表していない。

Teslaは自社アカウントで「Semi 2500台の受注」と紹介したが、ZET SCALEが公表したのはTeslaを含む複数メーカーのクラス8バッテリー式トラック計2500台の発注だ。

ZET SCALEは、Catalyst MobilityとSmart Freight Centerが共同で立ち上げた枠組み。大口荷主の輸送需要を束ねることで、運送会社の大量調達を後押しし、メーカー間の価格競争も促す狙いがある。

創設メンバーにはMicrosoftとPepsiCoが参加している。Teslaは競争入札を経て主要供給先に選ばれた。

車両は今後数年かけて、全米10カ所の主要物流拠点に配備される予定だ。配備先はロサンゼルス、ストックトン、ベーカーズフィールド、シアトル・タコマ、ヒューストン、ダラス、サンアントニオ、シカゴ、アトランタ、ニューアーク・ニューヨーク圏としている。

今回の案件では、導入資金の仕組みも特徴となる。ZET Financialが2500台分の購入注文を出し、「ZET Lease」プログラムを通じて車両を運送会社に提供する。

このプログラムは、電動トラックの残存価値リスクを運送会社が直接負わないよう設計された。電動大型トラックの中古価値がなお不透明なことを踏まえ、導入時の財務負担を軽減する狙いがある。

Tesla Semiプログラム責任者のダン・プリーストリー氏は、ZET SCALEの目的について、電動トラック運用の利点を大規模に広げることだと説明した。

Catalyst Mobilityの最高経営責任者(CEO)、マイケル・ベルーブ氏は、「優れた技術があっても、市場が自然に立ち上がるとは限らない」と述べ、大規模需要を束ねて市場形成を促すZET SCALEの役割を強調した。

今回の大型受注は、TeslaがSemiの生産拡大を進める局面とも重なる。Teslaはネバダ州にSemi専用工場を建設しており、名目上の年間生産能力を5万台としている。

Electrekは、2026年のTesla Semiの納入台数は5000台から1万5000台にとどまる見通しだと報じた。ロングレンジモデルの価格は約29万ドルという。

別の大型案件も同日に明らかになった。北米の主要ドレージ運送会社IMC Logisticsは、カリフォルニア州で運用する車両向けにTesla Semiを50台追加導入すると発表した。

港湾近接輸送には、航続距離325マイル(約520キロ)のスタンダードレンジモデルを投入する。南カリフォルニアと内陸倉庫間の輸送には、500マイルのロングレンジモデルを配備する予定だ。

IMC Logisticsはすでにゼロエミッション車両56台を運用しており、今回の追加導入で関連車両の規模はほぼ倍増する。ただし、水素燃料電池トラックや再生ディーゼルトラックも併用し、単一の動力源に依存しない構成をとる。

IMC Logisticsの太平洋地域社長、ジム・ギリス氏は、持続可能性を日常のドレージ輸送で実現するため、複数の技術を組み合わせるアプローチを採っていると説明した。

港湾周辺のコンテナ輸送は、走行ルートが比較的一定で、輸送後に拠点へ戻って充電しやすいことから、電動トラックの導入に適した分野とされる。今回の2500台案件と50台の追加導入は、Teslaの需要基盤が電動大型トラック市場で広がっていることを示す一方、普及ペースが生産能力や供給スキームに左右されることも浮き彫りにしている。

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