Bitcoinが8万6000ドルを突破し、ショートポジションの清算額が10億ドル超(約1500億円)に膨らんだ。数カ月にわたり上値を抑えてきた8万2000〜8万6000ドルの抵抗帯を上抜けたことで、買い戻しが相場を押し上げた格好だ。市場の関心は、次の節目となる9万ドルに移っている。
CryptoSlateが22日(現地時間)に報じたところによると、Bitcoinは直近24時間で一時8万7363ドルまで上昇し、1月以来の高値を付けた。
今回の上昇局面では、長らく上値抵抗となっていた8万2000〜8万6000ドルのレンジを明確に上抜けたことが大きい。この価格帯には下落を見込むポジションが積み上がっており、抵抗線の突破をきっかけにショートカバーが加速した。CoinGlassの集計では、この急騰局面で10億ドル超(約1500億円)のショートが清算された。
オンチェーンとデリバティブの指標も改善している。Glassnodeは、Bitcoinが約300日間にわたって下回っていた主要な長期移動平均線をそろって回復したと公表した。さらに、価格が「True Market Mean」と短期保有者の平均取得単価を上回って推移している点を挙げ、強気相場を見極める目安になるとした。
ネットワーク活動も活発化している。Bitboのデータによると、直近1週間に移動したBitcoinは100万BTCを超え、金額ベースでは920億ドル超(約13兆8000億円)に達した。これは過去4年で最大の取引量で、2025年10月の高値圏で見られた活動水準も上回ったという。
一方で、デリバティブ市場のポジション構成には変化が出始めている。Alphractalの最高経営責任者(CEO)ジョアン・ウェドソン氏は、今回のラリーが過去1年で最大規模のショート清算ゾーンに到達したと指摘した。下落局面ではまずレバレッジのかかったロングが整理され、その後にショートも大規模に清算されたことで、市場のポジションは改めて組み直されたとの見方を示した。
足元では、ロングのレバレッジが再び積み上がりつつある。Alphractalは、未決済建玉の内訳をロング約71%、ショート29%と推計した。2025年10月の史上最高値圏以降では最大級の偏りだという。Glassnodeも、Bitcoinが8万6000ドル近辺で推移するなか、オプション市場ではロングのレバレッジが段階的に戻っていると指摘した。ただ、投機の過熱感は前回高値局面よりなお低く、無期限先物の資金調達率も中立以下にとどまっていると付け加えた。
デリバティブ市場全体の回復も確認されている。Santimentによると、暗号資産市場全体の未決済建玉は約7.6%増の1560億ドル(約23兆4000億円)に拡大し、取引量も39%増加した。ショート清算後も市場参加者がレバレッジを大きく落とすことなく、比較的早い段階でポジションを組み直していることを示している。
こうした流れのなか、9万ドルが次の重要な節目として浮上している。Deribitのデータでは、Bitcoinオプションの未決済建玉は行使価格9万ドルに約27億ドル(約4050億円)、9万5000ドルに約27億ドル(約4050億円)、10万ドルに約23億ドル(約3450億円)集まっている。3つの価格帯の合計は約77億ドル(約1兆1550億円)に達する。現値から9万ドル到達に必要な上昇率は5%未満だ。
もっとも、上昇を支えた材料の性格が変わりつつある点には注意が必要だ。8万6000ドル突破の局面では、損失拡大を避けるためのショートカバーが機械的な買い需要として相場を押し上げた。ただ、その買い圧力が相応に消化された後、9万ドルを安定的に上回るには新規資金の流入が欠かせない。積み上がり始めたロングが調整局面でも維持されるかどうかも、今後の焦点となる。
市場心理も急速に強気へ傾いている。Santimentは、Bitcoinおよび暗号資産市場全般に対する楽観論が2024年以降で最も強い水準に達したと分析した。恐怖・強欲指数も、今回の上抜けを受けて「極端な強欲」の領域に近づいている。レンジ相場からの脱却に成功したことで、市場の関心はブレイクの成否から、上昇がどこまで続くかへと移りつつある。