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暗号資産取引所Binanceが、イラン制裁違反の疑いで米連邦検察の捜査を受けていることが分かった。捜査は特定取引への認識の有無だけでなく、同社のコンプライアンス体制全般にも及んでいる。

9月22日付の報道によると、捜査を主導しているのはニューヨーク・マンハッタンの連邦検察当局で、米司法省刑事局も関与しているもようだ。

焦点となっているのは、Binanceが一部の取引を把握した上で看過したかどうかだ。当局は個別案件にとどまらず、社内の内部統制やコンプライアンス運用の実効性についても調べているとされる。

Binanceは2023年11月、米当局と大規模な司法合意を結んだ。同社は当時、マネーロンダリング防止法違反、無許可での送金業運営、制裁関連法違反を認め、約43億ドル(約6450億円)の制裁金支払いに応じた。

共同創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏は最高経営責任者(CEO)を退任し、禁錮4カ月の判決を受けた。

その後、米司法省と米財務省はそれぞれ独立監視人を置き、Binanceのコンプライアンス改善の履行状況を監督してきた。今回の捜査は、司法合意後もイラン関連の疑惑がなお払拭されていない実態を浮き彫りにした格好だ。

2026年に入ってからも、Binanceを巡るイラン関連の疑惑は米国内で相次いで取り沙汰されている。2月には、2024年3月から2025年8月にかけて約17億ドル(約2550億円)相当の資金がイラン関連の主体に流れた可能性が指摘されたほか、当時の社内調査を担当した人物が解雇されたとも報じられた。

政界でも動きがあった。リチャード・ブルーメンソール上院議員は2月25日に上院で調査に着手し、4月17日には米司法省と米財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に書簡を送付。監視強化と関連資料の提出を求め、提出期限を4月24日とした。

Binanceは一連の疑惑を一貫して否定している。同社は、イラン関連主体と直接取引したアカウントは存在しないと繰り返し説明しており、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの親会社であるDow Jonesに対して名誉毀損訴訟も起こした。

リチャード・テンCEOも、イラン制裁対象者による取引がイラン革命防衛隊への資金支援につながったとの主張について、「根本的な事実誤認だ」と反論している。

市場では今回の捜査を受け、Binanceの事業継続性そのものよりも、規制リスク管理の水準が改めて問われるとの見方が出ている。大規模な司法合意と監視体制の受け入れ後も追加の疑惑が続いているためだ。

今後の焦点は、米当局が個別取引における違反の有無をどこまで特定できるか、また既存の監視体制が実際に機能していたのかに移りつつある。

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