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米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、AIデータセンターの電力・用水負担を巡る7法案に署名した。電力使用実態の開示や料金制度の見直しを通じ、送配電網の整備費や水インフラ費用が一般利用者に転嫁されるのを防ぐのが狙いだ。

21日付のCryptopolitanによると、今回の法案パッケージはデータセンター建設そのものを直接制限するものではない。電力料金や送配電網投資、用水インフラにかかる負担を事業者に明確に求める内容が中心となっている。

法案の柱は、大規模データセンターが地域の電力網や水供給に与える影響をより詳細に開示させ、そのコストを他の利用者に転嫁させない仕組みを整えることにある。

電力関連では、AB 1577がデータセンター事業者に対し、年間の電力使用量と運用関連情報をカリフォルニア・エネルギー委員会と地方規制当局へ提出するよう義務付けた。AB 2383は、追加電源や送配電網整備に伴う費用を回収できるよう電気料金制度を整える一方、その負担が他の顧客へ及ばないようにする。

水利用に関する規制も強化する。AB 2469は、地方政府の承認前に水供給の条件や不足リスクの提示を求め、必要となる用水インフラの改善費用は申請者負担とした。AB 2619は、事業許可を受ける企業に想定水使用量の申告を義務付け、許可更新時には実際の使用量を毎年確認し、提出するよう定めた。

系統接続と費用算定のルール見直しも盛り込んだ。SB 886は、カリフォルニア公益事業委員会に対し、2028年1月1日までに料金制度と系統連系ルールを策定・改定するよう求める。送電網の増強費用の算定に加え、大規模データセンターに適用する座礁費用に関する保護規定も含む。SB 1168は、データセンターが送電・配電・負荷関連コストを公平に負担しているかどうか、料金構造の点検を求める。SB 887は、データセンター事業に対する環境審査の簡素化に関する例外適用を制限し、環境リーダーシップ法の迅速手続きを利用するための要件を別途定めた。

ニューサム知事は今回の措置について、「カリフォルニア州民が引き続き主導権を握れるようにするためだ」と説明し、「企業が住民負担の上で利益を得ることがないようにする」と述べた。一方、データセンター連合は、規制強化によってカリフォルニア州が新規事業の投資先としての魅力を損ない、計画が他州へ移る可能性があると警告した。

今回の立法の背景には、データセンター投資の急増がある。市場では資金調達に加え、電力の確保が立地選定を左右する重要条件になっている。国際エネルギー機関(IEA)は、世界のデータセンター電力消費が2025年の485TWhから2030年には950TWhへ増えると予測している。これに伴い、電力網や水、土地といった物理的制約の重要性も高まっている。

主要市場では供給余力の縮小も進む。CBREによると、2026年1〜3月期の空室率は北バージニアが0.3%、アトランタが1%、シカゴが2.2%、ダラス・フォートワースが1.8%だった。Allianz Commercialは同期間の米国市場について、地域住民の反対などを背景に、少なくとも75件、総額約1300億ドル(約19兆5000億円)規模の建設プロジェクトが延期または中止されたと集計した。主因として、電力、土地、熟練労働力の不足に加え、許認可の問題を挙げている。

欧州でも同様の規制強化が進む。欧州委員会は同日、データセンターの最低性能基準を巡る12週間の意見公募を開始した。締め切りは12月14日で、2027年4〜6月期に立法案を提出する予定だ。あわせて、欧州連合(EU)共通の等級制度とラベルを基盤とする新たなエネルギー効率パッケージも公表した。

今後の焦点は、規制強化がAIインフラ投資を冷え込ませるのか、それとも投資先の分散を促すにとどまるのかだ。開発業界ではすでに、アルゼンチン・パタゴニアのネウケンやチュブト周辺で、ガス、水力、風力、太陽光を活用するエネルギープロジェクトの検討が進んでいる。

もっとも、カリフォルニア州の規制が直ちにプロジェクト流出につながると断定するのは難しい。短期的な影響は、実施機関による法執行のあり方に加え、コストや工期への影響、さらに他地域が電力と光ファイバー、資金、顧客を一体で提供できるかどうかに左右される。

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