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欧州連合(EU)は、大規模データセンターに対し、電力・水使用などの開示を義務付ける規則案を打ち出した。AIの普及でデータセンター需要が急拡大する中、電力網や天然資源への負荷を把握し、運用効率の向上につなげる狙いがある。

21日(現地時間)、Engadgetによると、欧州委員会は電力容量が500kWを超えるデータセンターを対象に、統一的な等級制度を導入する規則案を提案した。

今回の規則案は、EUが今後7年で域内のデータセンター収容能力を3倍に拡大する方針と軌を一にする。EUはデジタル主権の強化に向け、データセンターをはじめとする中核インフラの整備を進める一方、施設増加に伴う電力・水使用の拡大や炭素排出への影響も重視している。

欧州委員会によると、2024年のEU域内データセンターの電力消費量は68TWhだった。国際エネルギー機関(IEA)の予測を踏まえると、AI向け計算インフラの拡大などを背景に、2030年には114TWhに増える見通しだ。EU全体の電力消費量の3%を超える水準になる。

EUはデータセンターの新増設そのものを制限するのではなく、まずは運用効率の改善と資源利用の透明化に重点を置く。欧州委員会は、データセンターには高いエネルギー効率と水利用効率が求められ、持続可能な形でエネルギーシステムに組み込まれる必要があるとしている。

もっとも、今回の提案は直ちに電力使用量や水使用量に上限を設けるものではない。事業者ごとの使用可能電力量を制限したり、水使用を一定水準以下に義務付けたりするのではなく、現時点では各施設の資源利用状況の開示義務化が柱となる。

開示対象には、電力使用量に加え、立地地域の水不足の状況を踏まえた水使用情報も含まれる。データセンターで生じる廃熱を地域暖房などに再利用しているかどうかといった、地域のエネルギー利用への貢献状況も対象になる見通しだ。

新たな等級制度は、今後のデータセンター規制の基礎指標として活用される可能性がある。EUは域内のデータセンターに適用する最低性能基準についても、別途整備を進める計画という。等級制度は家電や自動車の省エネラベルに近い形で運用される可能性があり、各施設のエネルギー効率や資源効率を比較する指標としての利用が想定される。

制度導入に向けた手続きも始まった。欧州委員会は、欧州議会と欧州連合理事会が規則案を検討し意見を示せるよう、2カ月間の意見公募を開始した。計画通りに進めば、データセンターは来年から持続可能性に関する等級や各種情報の開示を求められることになる。

今回の規則案は、AI産業の急成長を背景にデータセンター投資が拡大する局面で示された。AIモデルの学習や推論に必要な計算量が増えるにつれ、データセンターの電力需要は急増しており、大規模施設では冷却に伴う水使用も主要な環境課題として浮上している。

EUにとっては、AIとデータインフラの拡大を通じたデジタル競争力の確保と、電力・水資源の管理をどう両立させるかが課題となる。今後開示されるデータが、最低性能基準や追加的な資源利用規制にどう結び付くのかが焦点となりそうだ。

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