写真=UBITECH。2025年のヒューマノイド世界販売は約7000台だった

国際ロボット連盟(IFR)によると、2025年に世界で販売されたヒューマノイドロボットは約7000台だった。もっとも、需要の中心は工場での本格導入ではなく、研究機関での活用やAIモデル改良に向けたデータ収集・生成用途だった。

ロイターが21日(現地時間)に報じた。IFRは、2025年に産業用と専門サービス用として販売されたヒューマノイドが世界で約7000台に達したと集計した。30年にわたりロボット統計をまとめてきたIFRが、ヒューマノイドを独立したカテゴリーとして集計したのは今回が初めて。

IFR事務総長のスザン・ビエラー氏は、2025年の主な購入者について、人の代替労働力を求める企業よりも、研究機関やAIモデル改良向けのデータ生成を目的とする企業が多かったと説明した。

自動車メーカーによる導入も、現時点では大規模展開ではなく実証段階にとどまる。ビエラー氏によると、自動車各社の工場内で進むパイロットプロジェクトの多くは、数台から多くても十数台規模で進められている。

個別企業の販売先を見ても、同様の傾向がうかがえる。中国ロボット企業のUnitreeでは、2025年に販売したヒューマノイドの約75%が大学、研究機関、個人開発者向けだった。販売台数だけでは、実際の生産現場でどこまで活用されているかは見えにくい。

IFRはヒューマノイドを、人に近い外観を持ち、人向けに設計された環境で自律的に作業できるロボットと定義している。必ずしも二足歩行である必要はない。集計にはロボットの製造・供給企業や各国の産業協会のデータを用い、消費者向けと軍事用途は対象外とした。医療用ロボットは別カテゴリーとして扱う。

メーカー別の出荷量を比較する際にも注意が必要だ。UnitreeやAGIBOTなど各社の公表値は、定義や供給企業のサンプル、集計期間が異なる可能性があるため、単純比較はできない。ある企業の数値が他社より高い、あるいは低いからといって、直ちに矛盾を意味するわけではない。

そもそも、販売台数だけでヒューマノイドの実利用の水準を判断するのは難しい。販売されたロボットのうち何台が実際に稼働しているのか、どの程度の頻度で運用されているのか、コストを正当化できる価値を生み出しているのかは、販売台数には表れないためだ。

ロボット市場全体に占めるヒューマノイドの比率も、なお小さい。IFRによると、2024年の世界の既存産業用ロボットの設置台数は約54万2000台だった。輸送、ホテル、清掃などに使われる専門サービスロボットの販売台数は約19万9000台に上る。ビエラー氏は、2025年のヒューマノイド販売約7000台について、世界のロボット市場全体から見れば「一部に過ぎない」と述べた。

IFRは、2025年の産業用・サービス用ロボットに関する総合統計を9月24日に発表する予定だ。

一方、市場予測は足元の販売規模を大きく上回る。Bank of America Global Researchは、ヒューマノイドの出荷台数が2026年に9万台、2030年に120万台に達すると予測した。2026年予測は、IFRが集計した2025年販売の約13倍に当たる。ただし、集計方法が異なるため単純比較には限界がある。

中国はヒューマノイド市場拡大の中心地とみられている。中国はすでに世界最大の産業用ロボット市場で、8月に政府支援の下で開かれたロボット大会では、ヒューマノイドが走行やボクシングを披露した。中国国家発展改革委員会は、ロボットやAIなど先端産業分野に20年間で約1兆元を呼び込むと見込む国策ベンチャーキャピタルファンドも発表した。

もっとも、ヒューマノイド市場はなお、パイロットプロジェクトが大規模な商業・小売分野への導入につながるかを見極める段階にある。企業が本格発注に踏み切るまでは、年間販売は2026年予測の9万台ではなく、2025年の約7000台に近い水準にとどまる可能性があるとの見方も出ている。

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