ビットコインが1月末以来初めて8万6000ドル台を回復した。原油安や米株高、貿易摩擦の緩和期待を背景に買いが広がっており、市場の関心は9万ドルに迫る上昇が続くかどうかに移っている。
Cointelegraphによると、21日(現地時間)の米株式市場の取引開始後、ビットコインは上げ幅を広げ、一時8万6332ドルまで上昇した。33週間ぶりの高値で、同日の上昇率は5.7%に達した。
前週末は8万1120ドルで取引を終え、5月初旬以来の高い週次終値を記録した。週明けも上昇基調を維持し、8万6000ドル台に乗せた。
今回の上昇は、原油安と米株高が追い風となった。先週後半から原油価格が下落するなか、カタール外務省とドナルド・トランプ米大統領の双方が、米国とイランの停戦交渉再開の可能性に言及した。これを受け、WTIは同日、1バレル91.59ドルまで下落した。
JPモルガンは先のリポートで、中東情勢の不安定さが続くなかでも原油供給は想定より底堅いとの見方を示した。原油安と停戦交渉への期待がリスク選好を支え、同時間帯にS&P500は1%、ナスダック総合指数は1.6%上昇した。
貿易摩擦の緩和期待も投資家心理を下支えした。New York Times(NYT)は、米国が習近平・中国国家主席の23~25日の訪米を前に、中国との貿易合意を6カ月延長する計画だと報じた。マクロ環境の改善期待に加え、テクニカル面でも強い反発局面に入ったとの見方が出ている。
市場では強気見通しも広がっている。分析会社The Kobeissi Letterは、暗号資産市場が新たな強気相場に入ったと評価した。BTC/USDはこの2カ月で50%上昇し、直近24時間の暗号資産のショートポジション清算額は8億ドル近くに達したという。
一方で、上昇基調の定着には需給面の確認が必要だとする慎重な見方もある。Bitfinexの調査部門Bitfinex Alphaは、下値を支える買い、未決済建玉の増加、ビットコイン現物ETFへの新規資金流入を主な条件に挙げた。さらに、トレンド転換を確認するには、9月18日と19日に上値を抑えた利益確定売りではなく、純粋な買いが主導する展開が必要だと指摘した。
テクニカル面では、下落トレンド離脱を示すシグナルも出ている。暗号資産トレーダーのRekt Capitalは、BTC/USDが2025年10月以降続いてきた高値切り下げの流れを上抜け、従来のマクロ下落トレンドからも脱したとの見方を示した。次の目標レンジとして8万6681ドル~9万3659ドルを挙げ、6万~8万ドルのレンジを明確に上抜ければ、次の節目は「青色レンジ」への進入を試す局面になるとした。
今後の焦点は、ビットコインが8万6000ドル台に定着できるかどうかにある。現物ETFへの資金流入と買い優勢が実際に続くのか、それとも短期急騰を受けた利益確定売りが再び強まるのか。リスク選好の回復を背景に、9万ドル近辺まで上昇余地を広げられるかが注目される。