XRP Ledger(XRPL)は、最新版「XRPL 3.4.0」でオンチェーン融資向け機能を拡充した。閉鎖型ボルトや現金ベースの会計処理を導入し、トークン化資産や機関向け融資市場への対応を強化する。XRPは足元で1.40ドル台を回復している。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、今回のアップグレードでは、融資、トークン化資産、機関向け信用市場に必要な機能が追加された。価格の持ち直しとネットワーク機能の拡張が重なり、市場の関心を集めている。
暗号資産マーケティング企業AgencyRazorのパートナーでKOLマネージャーを務めるクラリサ・ヨーク氏は、XRPについて「再び興味深い投資先になった」と指摘。注目領域として、ステーブルコイン、トークン化資産、融資、流動性を挙げた。
今回の更新の中核となるのが、9月16日に公開されたXRPL 3.4.0に盛り込まれた「LendingProtocolV1_1」だ。既存の融資プロトコルと単一資産ボルトの仕組みを拡張し、閉鎖型ボルトと現金ベースの会計処理を導入した。これによりXRPLは、決済中心の利用から、信用供与や資産運用を含む金融インフラへと用途を広げる格好となる。
従来の融資の仕組みは、満期が設定された無担保融資をXRPL上で扱うことに主眼を置いていた。預託者が単一資産ボルトに資金を預け入れ、融資仲介者がそれを集約して、あらかじめ定めた条件に基づいて融資を実行する形だ。
借り手の審査や信用リスク評価はオフチェーンで行い、融資の実行や管理はオンチェーン上で処理する。参加主体は融資仲介者、預託者、借り手の3者で構成され、融資仲介者がボルトを作成・管理し、預託者が資産を供給する。借り手は資金を受け取り、契約条件に従って返済する。
アップグレードの柱の1つが閉鎖型ボルトの導入だ。ボルトは募集、投資、返済の3段階で運用される。募集段階では資産の預け入れが可能で、投資段階では入出金を制限したうえで資金を実際の融資に振り向ける。返済段階に入ると新規融資は停止し、預託者は回収された収益を引き出せる。
各段階へ移行するスケジュールは、ボルト作成時に確定し、その後は変更できない。
ボルトにはXRPのほか、トラストライン資産や多目的トークン(MPT)も格納できる。これにより、RLUSDのようなトラストライン資産にも対応し、機関向け融資の枠組みに組み込みやすくした。
ボルトは公開型と非公開型に分かれる。非公開型では、XRPLの許可型ドメインの仕組みを通じて、要件を満たしたアカウントだけに預け入れを認める設定が可能だ。
会計処理も見直した。従来は融資実行時点で予定利息を認識できたが、新たなボルトでは実際に受け取った利息だけを収益として計上する。
このほか、任意で設定できる損失補償資本も導入した。債務不履行が発生した際に損失の一部を優先的に吸収する仕組みだが、信用リスクそのものを解消するものではない。
もっとも、今回のアップグレードが将来のXRP需要や価格動向を直接保証するわけではない。XRPが1.40ドルを上回っていることと、XRPL 3.4.0で閉鎖型融資ボルトなどの機能が追加されたことは事実だが、価格形成とは切り分けてみる必要がある。
今回の更新が示したのは、XRPLがオンチェーン融資や共同資産運用、参加者を限定した金融アプリケーションを、台帳レイヤーで処理できる範囲を広げつつある点だ。XRPエコシステムの重心が、決済以外の金融インフラへ広がるかどうかが今後の焦点となる。