写真=Shutterstock

暗号資産取引所Phemexのフェデリコ・バリオラCEOは16日(現地時間)、AIが暗号資産業界にとって総じてマイナスに働いているとの見方を示した。業界資金がAI分野に流れる一方で、攻撃の高度化によってセキュリティ負担が増し、中央集権化を促す可能性があるという。

ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、バリオラCEOは同メディアの番組「Chain Reaction」に出演し、暗号資産分野ではAIを手放しで楽観視できないと指摘した。

同氏は、流動性の多くがAI産業へ移ったほか、AIがソーシャルエンジニアリング攻撃や脆弱性の発見に活用されることで、プロトコルを狙う攻撃者の能力が高まっていると説明した。

その結果、プロトコルを開発する小規模チームは、多額のサイバーセキュリティ予算を確保しなければ運営が難しくなる可能性があるという。こうした環境変化は、セルフカストディやDeFiの魅力を損なう恐れもあるとした。

端末のハッキングやソーシャルエンジニアリング攻撃が増えれば、個人ユーザーが負担すべき対策コストも膨らむためだとしている。

今回の発言は、Phemexが今年2月にAI導入計画を公表した後に出たものだ。当時同社は、製品開発や社内業務全般にAIを取り入れる方針を示していたが、今回は自社戦略ではなく、暗号資産業界全体への影響に論点を置いた。

最近のハッキング事例も、こうした懸念を裏付ける材料として挙がっている。7月には、Coldcardのハードウェアウォレットの欠陥に関連し、5200以上のアドレスから約1億1600万ドル(約174億円)相当のビットコインが流出した。

この欠陥については、AIの悪用によって発見された可能性が指摘されている。当時、CoinkiteのCEOを務めるロドルフォ・ノバック氏は、AI支援によるコードレビューが、業界の熟練専門家よりも速くバグを見つける可能性があると警告していた。

一方で、AIを防御側に生かせるとの見方もある。CertiKの主任ブロックチェーン調査官、ナタリー・ニュソン氏は4月、AIは攻撃を高度化させる半面、最も強力な防御手段の一つにもなり得ると述べた。

バリオラCEO自身も、AIエージェントの実用性は認めている。投資家のポートフォリオ構築や取引判断の精度向上には役立つとしつつも、最終的な売買判断を完全に代替することはできないとの見方を示した。

キーワード

#Phemex #AI #暗号資産 #サイバーセキュリティ #DeFi #セルフカストディ #ビットコイン #ハードウェアウォレット
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.