世界の暗号資産保有者のうち、100万ドル超を保有する「ミリオネア」は2026年8月31日時点で13万5694人だった。もっとも、今回は算出方法が見直されており、前年推計との単純比較はできない。
15日付の欧州フィンテックメディアFintech News Switzerlandによると、英国の投資移民コンサルティング会社Henry & Partnersは「2026年暗号資産レポート」で、公開ブロックチェーンデータに基づく新たな集計結果を公表した。集計対象からはステーブルコインを除外している。
2025年版レポートでは、同条件に相当するミリオネア数を24万1700人と推計していた。ただ、2026年版では算出手法を変更したため、単純に43.9%減少したとみなすことはできないとしている。
新たな算出では、取引所やファンドのウォレット、紛失資産、同一保有者による複数アドレス、現物上場投資信託(ETF)を通じた間接保有分などを調整した。
高額保有者の推計も示した。1億ドル以上の保有者は290人、10億ドル以上の保有者は23人だった。このうち、ビットコインのみで100万ドル超を保有する人数は9万2272人とした。
市場は軟調に推移した。2026年8月31日時点の暗号資産の時価総額は約2兆6200億ドル、ビットコインの時価総額は約1兆5600億ドルだった。
Henry & Partnersによると、ビットコイン価格は2025年6月の10万5869ドルから、2026年8月31日には7万8008ドルまで下落した。
相場の重しとして、資金フローの変化も挙がった。Morningstarは、2026年の下落のかなりの部分が、米国上場の現物暗号資産ETFからの資金流出によるものだと分析。2025年の上昇局面を支えた主要な需要に陰りが出たことを示すとしている。
Franklin Templetonでアクティブ・デジタル資産運用部門を率いるクリス・パーキンス氏(Chris Perkins)はMorningstarに対し、個人投資家のリスクマネーがAIに向かったと指摘した。「個人のリスク資本は、新たな関心先としてAIへ移った」とした上で、「機関投資家の取り組みは止まっておらず、基盤となるネットワークのファンダメンタルズは強まり続けている」と述べた。
一方で、AI分野への投資拡大も続いている。Crunchbaseのデータによると、2025年のAI企業への世界投資額は2億2300万ドルで、2024年の1億2600万ドルから77%増えた。2026年上半期は3億9400万ドルと、すでに前年通年を76.7%上回っている。
その半面、暗号資産のユーザー基盤は拡大した。Henry & Partnersによると、2026年8月31日までの1年間で、残高のあるビットコインアドレス数は4.9%増加した。
これを基にした推計では、ビットコイン保有者は3億7100万人。さらに、ビットコイン保有者が暗号資産保有者全体の50%を占めるとの前提を当てはめると、暗号資産保有者は7億4200万人に達する。価格が下落する一方で、保有者基盤は広がった格好だ。