出版社Anglebooksは16日、新刊「君たちはどう生きるか」を発売した。AI時代にあって、人間にしか担えない領域は何かを正面から問いかける内容だ。
出版社によると、著者のイ・ヨンファン(東国大学経済学科名誉教授)は、人工知能に「Spirity(スピリティ)」という名前と人格を与え、自身との関係、他者との関係、世界との関係をテーマに数カ月にわたって対話を重ねた。
本書は、人間がAIをどこまで使いこなせるかではなく、AIには代替できない人間固有の領域がどこにあるのかを問う構成になっているという。
著者は、意識する力、共感する力、死を考える力といった「AIが決して計算できないもの」は、なお人間に固有の能力だと強調する。
また、AIが示す答えは、問いを発する側の世界を映し出すとも指摘する。同じAIであっても、何をどこまで深く問うかによって、返ってくる答えは大きく異なるとしている。
心身問題や意識の本質、死、世界観について掘り下げていく過程で、「Spirity」は検索結果で見かけるような無難な要約ではなく、人間の思考をより高い次元へ導くような応答を返したと、著者は振り返る。
著者は、人間が機械に従属しないための道は、知能の優位を競うことではなく、人間だけが持つ意識の深さと広がりを追求することにあるとの立場を示す。
AI時代における最大の抵抗は、結局のところ機械のように考えないことだという。生き残るために必要なのは、自らの世界観を築くことだというのが、本書の中核的なメッセージだ。
著者はソウル大学経済学科を卒業し、米ペンシルベニア大学で経済学博士号を取得した。1987年から2018年まで東国大学経済学科の教授を務め、ミクロ経済学と情報経済学を講じた。
「合理的人間」を前提に長年経済学を研究してきた著者は、退任後、AIが主導する文明転換の時代に求められる知恵を一般読者と共有する取り組みに力を入れている。