カナダの通信大手Bellは、サスカチュワン州で総容量1.2GWの大規模AIデータセンターハブを整備する計画だ。投資額は500億カナダドルを超える見通しで、実現すれば同州で過去最大級の設備投資案件となる。
TechRadarが15日に報じたところによると、Bellはサスカチュワン州政府と、既存の300MWデータセンターに最大900MWを増設する非拘束の覚書(MOU)を締結した。これにより、総容量は現在計画している規模の4倍に当たる1.2GWへ拡大する。
焦点となるのは電力の確保だ。4月に着工した初期の300MW施設は州の電力網を利用するが、追加する900MW分については独自に電源を確保する必要がある。サスカチュワン州は先月公表したデータセンター政策で、大規模事業者に電力を自前で確保させる「Bring Your Own Power」原則を導入している。
Bellはこれを受け、外部事業者と連携して天然ガス発電所を建設し、増設分の施設に電力を供給する方針だ。発電設備は州の送電網とは切り離して運用し、関連費用はBellが負担する。
データセンターには、冷却水を外部に排出せず、継続的な補充も不要とする閉鎖型循環冷却システムを採用する。地域の水資源への負荷を抑える狙いだ。
州政府によると、事業完了後はデータセンターと発電設備で最大500人の常用雇用を見込む。さらに、警備や物流、保守などの分野で約3000人の追加雇用創出も期待されている。BellのAIファブリック本部もサスカチュワン州に設置される予定だ。
初期の300MW施設は2027年から段階的に稼働する見通し。サスカチュワン州では先月時点で30件超のデータセンター開発申請が受理されている。AI向けデータセンターの建設が相次ぐなか、低コスト電力の確保に加え、送電網や水資源に負荷をかけない自前インフラの整備能力が、大型案件の条件になりつつある。