写真=Agility Robotics

Agility Roboticsは、人の接近を検知して減速・停止し、さらに至近距離ではしゃがみ込んでモーターを停止する新型ヒューマノイドロボット「Digit 5」を発表した。安全機能を強化し、安全柵なしで人と同じ空間で働く運用を視野に入れたのが特徴だ。

15日付のBusiness Insiderなどによると、Digit 5は周囲の人を検知すると減速または停止する。人がさらに近づいた場合はその場でしゃがみ込み、接触前にモーターを停止する仕組みという。Agility Roboticsは、人とロボットを物理的に分離する安全柵がなくても運用できるよう設計したとしている。

従来のヒューマノイドは、倉庫や工場で安全柵の内側での運用が前提となるケースが多かった。Digit 5は、こうした制約を和らげ、人との協働を前提に安全性を高めたモデルと位置付けられる。

Agility Roboticsの共同創業者で最高ロボット責任者(CRO)のジョナサン・ハースト氏は、Digit 5の再設計にあたり、AmazonやToyota、物流大手GXOの現場でDigitを運用して得た知見を反映したと説明した。Digit 5は、顧客要件を踏まえて開発した初の正式製品で、実運用で浮き彫りになった主要な課題を解消したモデルだとしている。

同社は現在、北米の9カ所の顧客施設にDigitを配備している。Digit 5では、複数年契約ベースで3億ドル(約450億円)超の受注を確保したことも明らかにした。

一方、先週提出した資料によると、2025年の純売上高は180万ドル(約2億7000万円)、営業損失は1億4000万ドル(約210億円)だった。Agility Roboticsは企業価値約25億ドル(約3750億円)を前提に、特別買収目的会社(SPAC)との合併による上場を進めている。

Digit 5は、従来モデルより重い荷物を扱えるよう設計した。後方に折れ曲がる膝構造をより人に近い形状に改め、持ち上げ動作やしゃがみ込み動作の出力を高めたという。

最大50ポンド(約23キロ)の持ち上げに対応し、従来モデル比で約40%増となる。

価格はあくまでモデルケースとして示した。Agility Roboticsは、Digit 5の本体価格を約20万ドル(約3000万円)、配備費用を2万ドル(約300万円)、ソフトウェアと保守費用を年3万6000ドル(約540万円)と仮定している。

5年間で試算した1台当たりの総コストは約40万ドル(約6000万円)。実際の契約条件は顧客ごとに交渉するとした。

稼働時間は約90分、充電時間は約9分。バッテリー残量が不足すると、Digit 5は自律的に充電ドックへ移動し、背面ポートに接続する。

同社は、この充電方式によって1日20時間超の運用が可能になると説明している。

ハンド部品は作業内容に応じて交換できる。重量物の搬送向けクランプ型グリッパーなど、用途に応じた部品を装着できる設計とし、今後はより精密な作業に対応する部品も追加する計画だ。

Digit 5は2027年上期に北米で先行投入する予定。その後、同年中に欧州連合(EU)と英国へ供給地域を広げる計画としている。

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