米議会で暗号資産規制の調整難航を映した採決となった。写真=Shutterstock

米上院は16日、暗号資産市場の規制枠組みを定めるクラリティ法の討論終結動議を否決した。超党派の支持を確保できず、今後の審議日程は不透明となった。採決を受け、市場ではビットコインをはじめ暗号資産が下落した。

CoinPostによると、上院は同日、クラリティ法の本格審議に入る前提となる討論終結動議を採決したが、結果は49対50で否決された。審議入りには60票が必要だったが、可決に必要な票数に届かなかった。

クラリティ法は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の監督権限を切り分け、デジタル資産市場の規制ルールを明確にする法案だ。昨年7月に下院を通過したものの、上院では民主党の協力を得られなかった。

民主党が焦点を当てたのは、ドナルド・トランプ米大統領と暗号資産関連事業を巡る倫理条項だった。民主党側は、利益相反の防止や投資家保護の措置が不十分だとの立場を示しており、法案処理の前提となる超党派合意はまとまらなかった。

共和党内からは、今回の否決が法案の完全な廃案を意味するわけではないとの見方が相次いだ。テッド・クルーズ上院議員は映画「プリンセス・ブライド」に触れつつ、法案は「死んだ」のではなく「ほとんど死んだ」にすぎないとして、再推進の可能性に言及した。ジョン・ケネディ上院議員も、結果は想定外ではないとしたうえで、完全に終わったわけではないと述べた。

ケネディ議員は、民主党も暗号資産市場の構造を明確化する法案の必要性自体は理解していると主張した。一方、成立時期については、11月の中間選挙後から新議会発足までのレームダック会期に言及した。

共和党は、民主党の反対を政治的判断によるものだと批判した。クルーズ議員は、こうした対応によって暗号資産関連の事業や雇用が海外流出しかねないと主張した。ただ、民主党が求める倫理条項をどのように補うのか、また再採決の時期をいつにするのかはなお定まっていない。

市場は採決直後から反応した。ビットコインは一時7万6000ドル台まで下落し、暗号資産関連銘柄にも売りが広がった。CoinPostは、ビットコインが16日未明から午前にかけて24時間で最大約5000ドル下落したと伝えた。

クラリティ法は、米国の暗号資産規制を整備する中核法案と位置付けられてきた。ステーブルコイン規制に軸足を置くジーニアス法案とは異なり、SECとCFTCの管轄区分を明確にし、デジタル資産の規制基準を定める点が柱となる。

今回の否決を受け、今後の焦点は民主党が求める倫理条項や消費者保護策をどこまで法案に反映できるかに移る。加えて、11月の中間選挙後のレームダック会期に超党派合意を改めて取り付けられるかも、再審議の行方を左右する公算が大きい。

キーワード

#クラリティ法 #米上院 #SEC #CFTC #暗号資産 #ビットコイン #ドナルド・トランプ #レームダック会期
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.