XRPは8月中旬の安値圏から上昇基調を維持しているが、主要取引所ではデリバティブの未決済建玉(OI)が減少している。現物市場ではBinanceの流動性が改善している一方、建玉縮小の背景までは読み切れず、市場の方向感はなお定まりにくい状況だ。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは15日、こうしたXRP市場の動きを伝えた。報道によると、Binanceでは30日ベースの流動性回転額が46億ドルまで拡大した一方、BybitとBinanceでは未決済建玉がそろって減少した。
注目されるのは、価格上昇とデリバティブ指標の悪化が同時に進んだ点だ。CryptoQuantのアナリスト、アムル・タハ氏によると、BybitのXRP未決済建玉は8月には増加基調だったが、9月に入って減少へ転じた。
8月18日時点では、BybitのXRP未決済建玉は直近30日で約6100万XRP増えていた。しかし9月12日には、30日変化ベースで3750万XRPのマイナスに転じた。25日間で振れ幅は約9850万XRPに達し、建玉が大きく縮小したことを示した。
一方、同じ期間のXRP価格は上昇した。8月18日に約1.00ドルだった価格は、9月12日には一時1.37ドルまで上昇し、約36%高となった。
Binanceでも同様の傾向がみられた。アムル・タハ氏は、BinanceのXRP未決済建玉が15日時点で30日変化ベース約5300万XRPのマイナスまで低下したと指摘した。
これは7月10日時点の約3900万XRPのマイナスと比べ、さらに約1400万XRP悪化した水準に当たる。この時点でXRP価格は1.42ドル前後で推移しており、8月18日比では約42%高い水準を保っていた。
もっとも、未決済建玉の減少だけで相場の方向を判断するのは難しい。縮小したポジションがロングの清算によるものか、ショートの解消によるものかは、今回のデータだけでは判別できないためだ。
このため、デリバティブ市場でポジションが縮小した事実そのものは、直ちに強気または弱気のシグナルとは言えない。
一方、現物市場の流動性には改善がみられた。アナリストのアラブ・チェイン氏によると、BinanceにおけるXRPの30日流動性回転額は約46億ドルまで増加した。
流動性指標も0.0675まで上昇し、約6カ月ぶりの高水準を付けた。7月から8月にかけては回転額が20億〜30億ドルにとどまっていたが、その後はBinanceを通過するXRPの量が増え、回復基調を示した。
ただし、この数値も一方向の強気材料とみなすことはできない。流動性回転には買いと売りに加え、入金や出金も含まれるため、取引の活発化は示しても、資金フローの向きまでは読み取れない。
足元のXRP市場は、強弱の材料が交錯している。価格は8月中旬の水準を上回り、Binanceの流動性も半年ぶりの高水準まで回復した。一方で、主要取引所の未決済建玉は急速に縮小している。
結果として、デリバティブ市場のポジションが減るなかで価格が上昇し、現物市場の取引は活発化している構図が浮かぶ。短期的な焦点は、この上昇が現物主導で続くのか、それとも再びデリバティブの建玉拡大につながるのかに移っている。
現時点のデータだけでは、XRP相場が強気、弱気のいずれかに明確に傾いたと結論付けるのは難しい。