暗号資産取引所CoinExは15日、新規登録の受付を停止し、9月29日に主要な取引所サービスを終了すると発表した。利用者の出金対応は12月22日まで続ける。市場低迷の長期化に加え、規制強化やコンプライアンス費用の増加が事業終了の背景だとしている。
ブロックチェーンメディアのDecryptによると、CoinExは同日から新規登録を停止した。9月29日以降は大半の取引所サービスを終了し、実質的なサービス停止後も約3カ月間、利用者資産の引き出しに対応する。
CoinExは、9月29日以降に口座へ残った資産について、テザー(USDT)への転換に対応するとしている。さらに、12月22日までに引き出されなかったUSDTは外部のカストディ機関へ移管する。その後は同機関が当初残高の5%を月次手数料として徴収し、利用者は2028年8月22日まで同機関を通じて資金を受け取ることができるという。
事業終了の理由についてCoinExは、市場低迷の長期化や取引量の減少、規制環境の厳格化、コンプライアンス費用の上昇を挙げた。業界全体で取引量と流動性が細り、事業環境が一段と厳しくなったと説明している。
創業者兼最高経営責任者(CEO)のヤン・ハイポー氏は、取引所運営に伴うリスクが耐え難い水準まで高まったと説明した。Xへの投稿では、「多くの熟慮の末に厳しい現実を受け入れざるを得なかった」としたうえで、「セキュリティーとコンプライアンスのリスクは、ますます管理が難しくなっている」と述べた。
ヤン氏は、CoinExの売却も真剣に検討したが、混乱の少ない形で事業を終えるため閉鎖を選んだとしている。過去9年間で数百万人の利用者を獲得した一方、当初掲げた目標には届かなかったことも認めた。事業整理にあたり最優先するのは、顧客が保有資産をすべて回収できることと、従業員が適切な形で退職できることだと付け加えた。
今回の判断の背景には、CoinExを巡る規制対応上の負担もあるとみられる。TRM Labsは2026年初めの報告書で、CoinExが2019年以降、イラン関連主体と結び付いた38億ドル超の資金移動に関与したと主張した。TRM Labsは、こうした取引にNobitexや制裁対象の相手先が含まれていたと指摘している。
CoinExはこれまで200以上の国・地域で顧客基盤を広げてきたが、米国市場からはすでに撤退している。2023年には、ニューヨーク州司法長官が起こした訴訟を和解で終結させた後、米国事業を停止した。当時、同司法長官は、CoinExが必要な登録を行わずに営業していたと問題視していた。
CoinExの利用者は、出金期限に加え、9月29日以降の資産処理の手順を確認する必要がある。今後は、利用者資産の移転やカストディ機関への移管対応が本格化する見通しだ。